フランスの栄光

サッカーのワールドカップで、
イタリアとフランスが決勝戦を闘うことになった。
テレビで予選リーグのゲームを見ていた限りでは、
スペインやアルゼンチンが優れているように思えたので、
準決勝の顔ぶれでさえ驚きを持って見ていた僕は、
実際にゲームを見ながら、その秘密がわかった気がした。
特にフランス・チームの場合は。

サッカーは一つのスポーツに過ぎないけど、
ワールドカップを見ていると、
それ以上の各国の有様さえ見える気がする。
技術がいかに巧みであっても活かせないのはなぜか?
プラス・アルファの要素となる神の業はどこからくるのか?
そんなことを考えていたら、驚くべきニュースが飛び込んできた。
フランスの有力な新聞「ル・モンド」の一面に、
911事件はアメリカ内部で作られたものではないのか!
http://diplo.no/pdf/0607/01.pdf
とする大見出しの記事が載ったのだ。

そう言えばアメリカがイラクに戦争を仕掛けたときも、
アメリ大本営発表の呼びかけに入れ食いした日本と違い、
フランスは最後まで慎重な姿勢で戦争に反対していた。
利権だけで考えるなら、追従策はもっとも楽だ。
それをあえて超大国を怒らせてまでも戦争に反対し、
世界にフランスの存在を大きく知らしめた。
それはリスクを伴いながら、妥協しない態度、
言い訳ばかりして、戦争までもきれい事にしてしまう、
似非平和主義な日本国の現状を知らしめるものでもあった。

そのフランスが、サッカーの決勝戦に勝ち進み、
ル・モンド紙は、911事件はアメリカの陰謀だと報道する。
これが世界をリードしようとする国の意気込みであり、
人種問題や雇用問題を抱えながらも活気ある国の姿なのだろう。
振り返って日本の現状はどうなのか?
国政の広報機関でしかないマスコミが称えたチームは、
せっかくの技術も活かされることなく沈んでいった。
世界中のどの国でもやっているミサイル演習を材料に、
北朝鮮の脅威論による憲法改正まで目論まれている。
戦争へ向かう日米と平和へ向かうヨーロッパの動きを生んだ、
911事件は世界史の転換点だったに違いない。