もう一度「クラッシュ」

イメージ 1

この映画を見てから3日が過ぎました。
そのあとも映画祭の準備で次々に大変なことがあって、
忙しさに振り回されて過ごしていたはずですが、
なぜか何度もこの映画のことを思い出してしまう。
しかも昨夜、この映画を見てきた人と会って話をして、
家に帰ってから、公式サイトを開いてみました。
http://www.crash-movie.jp/
そこに監督のメッセージが載っていたのですが、
これがまたとても心に残ることが書いてある。

「この作品の描き方がはっきりしたのは9.11以降のことだった。
なぜならこの映画のテーマは人種や階級についてではなく、
見知らぬ人間への恐怖についてであるからだ。
これは不寛容さと思いやりの映画であり、人が選択したこと、
そのことによって支払うべき代償について描いた映画だ。
人間はみな判断されるのは嫌だが、他人を判断することには
何の矛盾も感じない。そして自分が判断を下した人間に、
良くも悪くもどれほど驚かされるのかということを描いた作品なんだ。」

僕らはつい人を良し悪しで判断してしまうけど、
自分のことはそんな風に判断して欲しくないと思っている。
そしてたぶん真実はその振り子の中にあって、
気がつくと罪を犯していたり、人助けをしていたり、
だけどそれは単なる偶然などではなくて、
それぞれの人が生きるうえで選択したことの帰結だってこと。
それを一瞬のうちに味わったシーンこそ、この写真の場面。
この時にどれほどの悲しみを味わい、その次の瞬間に、
僕はどれほどの感動を味わったかしれない。

奇蹟は漠然と起きるわけじゃない、
人間の選んだ行為こそがあらゆる奇跡を起こし、
あらゆる悲劇をも起こしているんだってことを描いた、
この監督の感性と力量を尊敬せずにはいられない。
見終わって三日たった今もなお感動が残っている、
映画の力を存分に味わわせてくれた作品だった。


「クラッシュ」DVDは、(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000EUMM98?ie=UTF8&tag=isobehon-22