不思議な繋がり

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今回の平和映画祭で上映する5本の映画は、
自分でも驚くほどいい映画がそろえられた。
その映画の魅力に導かれて映画祭の準備をしている。
そしてまた一つ新しい出会いがありました。
それはジャメイカ・キンケイドという作家です。

先日、文苑堂書店さんと話をして、
映画祭会場で関連本の販売をしてもらうことにしたのですが、
その本を選ぶ過程で「ジャマイカ楽園の真実」の関連本として、
ナレーションのベースになっている本があることを知り、
それがキンケイドの「小さな場所」だと知ったのです。

この映画は他の4本と違ってレゲエの魅力があるので、
経済破綻と音楽にばかり頭が行っていたのですが、
実はしっかりとした作家の言葉が基礎になっていたのです。
1988年に「ニューヨーカー」に発表された作品から、
いくつもの示唆に富んだ表現がナレーションとして使われている。
これが作品を味わい深いものにしていたのです。

観光客向けのガイド・ブックの体裁をとって書かれている、
この連載エッセイが、美しい映像とレゲエの音楽を得て、
「ジャマイカ楽園の真実」になっていたのです。
かの国の問題、グローバル経済の問題を見つめた視点は、
かつて僕が好きだった中南米の文学に繋がっていたのです。