「憲法を変えて戦争へ行こう・・・・」

通販生活特別付録で、正確には
憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言
という長たらしい題名の岩波ブックレットを読みました。
去年の衆議院選挙で自民党が3分の2以上の議席を取ったので、
今この国の政治家はここぞとばかり改憲を考えているようです。
その主な目的は、憲法を変えて正式に軍隊を持とうと言うことでしょうか。
崇高な戦争放棄の理想をめざす国家であることをやめて、
アメリカと共に世界を武力で管理する側に回りたいと考えるのでしょうか。

この国は不思議な国で、憲法で平和を謳いながら、
その法の執行者であるはずの行政府は軍隊を持ちたくて仕方がない様子。
それをさまざまな文化人が言論の自由によって辛うじて守っている。
このところ「いつかきた道」という言い回しをよく聞くけど、
人はどうして同じ過ちを何度も犯さないではいられないのだろうか。
少しは優秀な人たちが選ばれて集まっているはずの行政府に、
どうして人類史上もっとも愚かな戦争を好む人がいるのだろうか?
彼らは、戦争はしたくないけど現実には備えが必要だ、と言うけど、
常にそうやって戦争が始まったことくらい知っているだろうから、
口で何を言おうと、彼らは戦争がしたくてたまらないのだと考えるしかない。

膨大なエネルギーを使いながら、まだ足りないと原子力を使う、
こうした限りない欲望を追い求める社会であれば、
口先でどんな立派なことを言っても誰も信じないでしょう。
はっきりしているのはみんな自分勝手で自分の利益しか考えていない、
だからいくら取り締まろうとしても、次々に新たな犯罪は生まれてくる。
それでもこの本に出てくるような人たちがいる限り、
この国はまだ捨てたものじゃないとは思うのだけど、
この国で権力に組みせずに生きることはなかなかに難しい。