「落語に学ぶ話し方と名文句」

このごろ落語を題材にした本がたくさん出ていると聞いて、
それなら図書館にもあるかと思って見に行ったら、
あったあった、何冊も新刊コーナーに並んでいた。
そこで2冊ばかり借りておいた中にこの本があった。

春風亭正朝ってえ監修者名前も今の季節にピッタリだし、
ぱらぱら開いてみたら、これがなかなかに面白い。
落語は口と耳で伝え聞くものだから、本で読んだんじゃあ
面白いものもニュアンスが伝わらないからいいはずがない。
そりゃあそうだけど、落とし文句というか、名ぜりふというか、
なるほど、こいつあ面白い!と思わずうなずくセリフは、
やっぱり本で読んでも面白いもんだ。

先日は、まみあなで「春のお話会」ってのがあって、
こちらは親子連れの、どちらかと言えば子ども向けの話、
それでも何か、ひとり芝居でも見るようなおもしろさがある。
別に大袈裟な振りが付いていなくたって、目の前で話す、
その、「目の前」感がなんとも言えずにいいものなんだ。
ってことはだなあ、もしかしたら落語でなくたっていい、
口と耳を使って生で声を伝えるのがいいって事だ。

これっておいらが普段から言っていることと同じで、
人間はこの五感を使って幸せになるんだから、
手足耳鼻目と口を使って味わえるやりとりが一番って事だ。
そりゃあ恋人夫婦は言うに及ばず赤の他人同士だって、
五感で触れあえる関係こそがお楽しみだ!