「ジャマイカ楽園の真実」

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北陸平和映画祭実行委員会が今回企画している、
「 ぴーす フィルム フェスタ in 高岡 」、
この上映予定になっている5作品の中から、
「ジャマイカ楽園の真実」を見てみました。
予想通り、というか予想以上にくっきりと、
グローバル経済がもたらす惨状を示している。

映画はこの島を訪れる観光客の視点で始まり、
だけど彼らが食べるのは島の産物ではない、
アメリカから輸入したものばかりがと繋がれていく。
一度経済不況によってIMFからお金を借りると、
さまざまな厳しい条件を突きつけられて、
その言いなりになると国の経済が根底から破壊する。
そうした現状が政治家や学者の解説で示される。

そればかりではない、農民などの生活者こそが、
その犠牲者となって、生きる術を奪われていく。
どうしてそうなるのか、その過程が描かれている。
ここにはお金を武器にした経済侵略があることを、
僕らは遠い国のこととして受け止めるしかない。
だけど本当に余所の国の話なのだろうか?
そこで日本国の770兆円の負債を思い出す。

そもそもなぜそんなにお金が必要なのか?
借金してまで大金を使うことが幸せと思えない。
それは個人だって国家だって同じではないのか?
社会インフラや社会保障に大金が必要だと考えるのは、
何か大きな間違いを犯しているように思われる。
ジャマイカの人々の過酷な現状を見ながら、
それを人ごとには思われなかったのだ。

こんな厳しい現実を見せつけられる映画だけど、
レゲエを中心としたジャマイカの歌とリズムは、
人間の心にある何か大切なものを思い出させる。
お金に振り回される人々の姿を見ながら、
自分たちはどのように生きるべきかを考える、
人間とは何かを問い掛ける映画だったと思う。