「世界の貧困」

ジェレミー・シーブルックの著書、
「世界の貧困」(青土社)を読んだ。
読んだと言っても渋谷の大きな書店で、
置いてあった椅子に座って1時間余で読んだ。
買ったわけではないので、本は手元にはない。

読み返して内容確認することもできないので、
この記事は書評と言うよりも印象になる。
それでもわざわざこの本のことを書くのは、
世界の貧困は人為的に作られたものだと分析し、
読んでいて共感するところが多かったからだ。

何よりも「貧困とは何か?」との問いかけで、
お金がいくらあっても生活出来なければ貧しい。
逆にお金がなくても豊かな生活もあるとして、
貧しさの定義をお金から切り離す視点がいい。
1万円しかなくても自給自足していれば、
その人は貧しいとは言えないだろうし、
2万円持っていても生活費に3万円必要なら、
その人はやっぱり貧しい人になる。

つまり貧困とは生活基盤の不足のことなので、
マネー経済の拡大によっては解決しない。
お金より生活基盤のコミュニティを育てた方が、
確実に貧困を無くすことができるはずだ。
それならなぜグローバル経済を拡大するのか?
作者はそれを植民地主義の新しい姿だと指摘する。
生活に困らないのに多くのものを欲しがる貧困も、
経済プロパガンダの成果と見なしている。

世界銀行や各種の国際援助機関を使って、
あらゆる国をマネー経済に取り込み、
かつての植民地のように経済で人を搾取する。
これが、けっして無くならない貧困の正体だ。
さらにその解決方法として、視野を広げ、
お金に頼らない生活基盤を作るべきだと、
そう主張していたように思うのは、
もう確認出来ない僕の深読みだったかも・・・