「ララピポ」お金と性欲

奥田英朗という直木賞作家の小説で、
「ララピポ」を図書館で借りて読んだ。
まるで三流週刊誌ネタの短編が6本。
東京の渋谷を接点にして集まる男女が、
お金と性欲にまみれて身を滅ぼしている。
いかにもこれが現代都会の姿のようだ。

読み方によっては低俗な三文小説だ。
女と違う男の生理は性欲でしかないから、
その性欲が男をどう動かしていくかは、
間違いなく文学の題材にもなるだろう。
それじゃ三文小説との違いはと言えば、
やっぱりお金が中心って事だろう。

僕も気持ちのいいSEXは好きなので、
好きな相手とひたすらSEXしたこともある。
一週間以上籠もって続けるとめまいもした。
ある意味男は命がけでもSEXするものだ。
だけどそれをお金に換算されちゃうと、
大切な何かが消えていってしまう気がする。

「ララピポ」とは「a lot of people」を、
第6話の主人公が聞き間違えた言葉だ。
人間も数があまりに多くなってしまうと、
どこかでその性質が変化してしまう。
現代における数の魔法はここにもある。
性もまた商品になると命の輝きを失うのだ。