「敵は、嘘」

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「敵は、嘘」とは、
ご存じ、今年宝島社が打ち出した企業広告ですが、
公官庁から学者や政治家、実業家までひっくるめて、
嘘つきが横行している現代を、皮肉っています。
もう一つあるのが、戦争の危機を意識したもので、
「嘘つきは、戦争の始まり」となっていますが、
これもうまく的を射ており、広告として秀逸です。

現代においては、特に武器を使わなくても、
人工放射能から、水や空気の環境汚染に至るまで、
自然環境は壊滅的で、子どもたちの将来が心配です。
どうしてこんなことになったのか、考えてみると、
為政者、開発者、企業の様々な嘘が見え隠れします。
リーダーたちはいつも、不都合なことは隠して、
耳や目に心地良いことばかり、提示してきたのです。

その挙げ句、少数の裕福な人を作り出すと同時に、
圧倒的に多数の人から、人間としての自由を奪った。
新たな奴隷制度の始まりか、と思われるほどに、
多くの人々が自由を失って、ひたすら働いている。
奴隷制度が廃止された当時の、一昔であれば、
強制的な労働から解放されて、のんびりも出来ました。

だけど現代では、仕事を辞めてのんびりするなんて、
それこそ夢のような話しで、生活費が追いかけてくる。
昔なら、多少生活が不便になることを厭わなければ、
未開発の自然の中で、自給自足の生活が出来たのですが、
現代ではそんな場所は無く、あらゆる場所は有料です。
安全な食料も有料なら、安い食料は微妙に危険で、
健康を害すれば、果てしない医療地獄が待っている。

ちょっと出掛けるにも、気晴らしをするにも、
情報を得るにも、ただそこにいるだけでもお金が掛かる。
そのお金を得るために、ともかく働くしか無いなら、
お金を得るためには、詐欺でも忖度でも何でもします。
その善悪はさておいて、うまく立ち回るのが利口者だと、
あらゆる階層の、圧倒的多数がそう思っている。

こんな社会だからこそ、宝島社の企業広告は価値があり、
いつの間にか罠に掛かって、もがいていた人たちは、
そうだそう言うことなんだ、と溜飲を下げるでしょう。
だけど実は、その多くの人たちこそ、加害者でもあって、
自分の生活のために、他者を苦しめる罠を育てている。
自分の生活を楽にして、楽しく生きることは大切ですが、
その生き方が嘘に繋がっていないか、考えていたい。