JT生命誌研究館

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1985年に、旧・日本専売公社から業務を継承した、
日本たばこ産業JT)は、今でも巨大企業です。
タバコを売っているのだから、どちらかと言えば、
あまり企業イメージだって、良くなかったはずですが、
最近になって、面白い活動に興味を引かれています。
それはJT生命誌研究館の活動で、館長の感性に惹かれます。

なにしろJTと言えば、日本有数の巨大企業ですから、
タバコや医療、食品を中心に、様々な製造販売をしている。
そんなJTの事業内容から、直接ネットでいくら調べても、
生命誌研究館」のことは、名前さえ見つかりません。
だけど「JT生命誌研究館」を検索すれば、確かに出てくるし、
営業活動もなしで維持できるのは、JTのおかげでしょう。
http://brh.co.jp/ 

ホームページを見ても、何だこれは?って感じで、
いったい何をしているところか、実はよく分からない。
生命誌研究館とは」と書いてあるページを開いてみると、
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「生きているってどういうこと?」生きものを見つめ、
研究し、その課程や成果を表現することを通して、
自然・生命・人間について考える場(ホール)です。
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と書かれています。

さらには、
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読み解いた歴史物語を美しく表現することで、生きものの
魅力を実感し、生きることについて考えていきます。
生きている、生きるという課題を考え、命を大切にする
社会づくりに努める仲間としてご参加ください。
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とあって、ここまで来れば関心は高まるのです。

そして見ていただきたいのが、中村桂子さんのご挨拶で、
僕の場合、この館長の発言がきっかけで研究館を知ったのです。
それは確か、地球の土壌に関する発言だったと思いますが、
「このまま農薬と化学肥料を使う、近代農法が続いたなら、
そう遠くない将来に土壌微生物が滅んで、作物が取れなくなる、
それを防ぐには、不耕起による自然農法が必要だ」とのこと。

まさしく僕らがやっている、自然農の考えそのもので、
科学の研究分野からも、同じ方向性が出てきたことに驚いた。
いえいえ科学の大元は哲学の筈ですから、科学を極めた場所で、
生きものに向き合えば、自然農に行き着くのは当然なのです。
そうわかってはいながら、巨大企業の自由な研究館の中で、
命の有り様を真摯に考えている人がいる事に、安堵したのです。

なるほど考えてみれば、以前にまちづくりの活動の中で、
街のゴミ拾いをやったとき、活動のスポンサーはJTだった。
キャンペーンでいただいたTシャツは、質の良い作りだったので、
僕はそれを今でも使っており、ゴミにならずに済んでいます。
タバコのポイ捨てを意識した、街をきれいにする活動でも、
僕らとコラボすることで、一つのムーブメントになったのです。

企業と市民活動とのコラボは、破壊活動の免罪符にならないよう、
慎重に進める必要がありますが、納得できる哲学があればいい。
そんなことを考えて、今年の展望を思い巡らせながら、
人が社会や環境を破壊する困難な時代に、救いを見いだしたい。
自分の生活さえ楽ではないので、何が出来るかはわかりませんが、
せめてその心意気だけは、失わないように暮らしたいと思うのです。