「ボヘミアン・ラプソディ」

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クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの家族愛、
友情、恋愛を描いた映画で、全編にクイーンの曲が流れます。
映画の題名となった、「ボヘミアン・ラプソディ」は、
クーンのアルバム、「オペラ座の夜」に修められた代表曲で、
曲が長いために、ラジオなどではなかなか全曲掛からない。

その辺の事情や経緯まで含めて、楽曲創作の様子から、
当時のフレディの取り巻きまで、かなり詳しく描かれている。
僕はクイーンのファンではなかったけど、曲はよく知っていて、
ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」、
「伝説のチャンピオン:などは、だいたい分かります。

映画で最も興奮した、1985年のライブ・エイドのコンサートは、
当時テレビとは無縁の暮らしをしていた僕は、見ていません。
今回この映画で初めて見たのですが、再現映像と分かっていても、
興奮する気持ちを抑えられずに、身体が震えて涙が流れました。
フレディのパフォーマンスは魅力的だけど、それだけではなかった。

映画の全編を通して伝えられる、彼の人生に思うものがあり、
決して成功ばかりではなく、様々な失敗を重ねて生きているのに、
自分をチャンピオンだと歌う歌詞が、共感できてしまった。
彼の傍若無人の態度は、孤独の不安と紙一重でもあるし、
それを支える友人や家族や仲間が、とても素晴らしかった。

現実はたぶん、深刻な苦しみを抱えたものだったとしても、
それを自分の歌やパフォーマンスに乗せて、表現しきったのです。
これでもかこれでもかと、新しい表現を試みていく姿は、
その頂点としてのコンサートまで、僕らを掴んで放さないまま、
2時間以上の上映時間は、興奮の内に過ぎてしまいました。

今回良かったことは、今までは楽曲とパフォーマンスでしか、
知らなかったクイーンの曲を、生まれる経緯と歌詞で知ることで、
その深さと人間性にも、深く感動したことが挙げられます。
逆に言えば、歌詞の意味も大して知らずに好きだった事実こそ、
その歌詞の真実に裏打ちされていたのだと、知ったのです。

僕の青春だった、70年代~80年代を振り返るときに、
その時代がどんなものだったかも、この映画は教えてくれる。
若者は何を求めていたのか、それは現代とはどう違うのか、
安易に理解するよりも、声を上げて訴えることこそ大切なんだと、
永遠の若者の在り方を教えてくれる、愛すべき映画でした。