SDGsを考える!(その4)

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目標項目の(13)~(17)は、主に環境の目標が書かれています。
地球規模の環境など、僕らには関わりようがないようにも思いますが、
昨今の異常気象を見ても、もう自然循環だけでは間に合わない。
人類の力は過剰に大きくなって、このまま産業の拡大が続いたなら、
遠からず破綻することが、明らかな状態にまでなっているのです。

様々な文化の違いから、人類同士が戦って相手を抹殺しようとする、
それがどれほど愚かなことかは、すでに多くの人が知っています。
同じように様々な生き物がいて、生命活動のバランスを取っていますが、
それは陸上に限らず、海や川や淡水湖でも危うい状況が起きている。
この地球上で、今や多くの種が絶滅危惧種となっているのです。

僕がこの問題を最初に意識したのは、珊瑚礁の死滅によってでした。
まだ学生の頃に初めて珊瑚礁の海に潜って、その美しさに感動して以来、
毎年沖縄の海を中心に、珊瑚礁の海に潜るようになったのですが、
それから10年20年と経つ内に、この美しさは見るも無惨に消えていく。
なぜこんなことが起きるのかが、環境保護意識の最初だったのです。

例えば今日の写真の中にある、海ウサギの写真を見ていただくと、
とても美しい貝で、真っ白い色をした貝に黒い外套膜が覆っている。
宝貝の一種だと思うのですが、僕が20代の頃には探せば見つかりました。
残酷な話しですが、これを砂の中に埋めて何日かすると中がなくなり、
きれいな真っ白い貝殻だけが残るので、これをお守りやお土産にしたのです。

当時はたくさんいた、こうした美しい生き物たちが姿を消して、
何事が起きたのかを考えると、人間の仕業であることがはっきり分かる。
僕らのように採取によって減るよりも、圧倒的な力を持っていたのが、
開発による環境への負荷であり、赤土の流出や地球の温暖化だったのです。
人類の力は肥大化して、以前は考えもしなかった事態が起きていた。

長年の珊瑚礁の発達によって、豊かな海の生態系が生まれて育まれ、
見ているだけでも美しい世界が、僕らに生きる勇気さえ与えてくれた。
それが大きくなりすぎた人間の力によって、今や亡びようとさえしています。
だからこそ世界中の人が集まり、人々の叡智を結集することで、
この危機を克服する道を探した成果が、SDGsだと言うことでしょう。

もはや我々は、政治や経済拡大のリーダーになるだけでは不十分で、
それよりも新しい時代に向けた、新しい道筋を示す人になる必要がある。
まずは個々人が目覚めて、自分の生き方を示しことから始めれば、
やがてその中から共感者が生まれ、新しい流れを生み出すことになるのです。
そのための指針こそSDGsだってことは、今さら言うまでもないでしょう。