水と種子をめぐる闘い
20世紀が、石油をめぐる闘いの世紀とすれば、
21世紀には、水と食料をめぐって闘う世紀となる。
世界の多くの人たちが、そう考えているようで、
世界中の多国籍企業は、すでに水と食料を狙って、
各地で戦いの火ぶたが、始まっているようです。
水をめぐっては、過去に多くの国で民営化が進み、
日本でも今年から、企業が公共水道の運営権が持てる。
民間企業に任せれば、コスト意識が高まって、
効率的な事業運営ができるから、と言うわけです。
だけど世界的には、こうした流れはもう古いようです。
水道事業を民営化した、オーストラリアや南アフリカでは、
値上がりによって、水道代を払えない人が出ており、
社会的に大きな問題となって、公共事業に戻す流れがある。
一度民営化したものを、再び公共事業に戻すためには、
多額の違約金が必要ですが、それでも公共事業に戻していく。
同じような独占事業でも、電話やガスのようなインフラなら、
お金が払えなければ、利用しないで済ませることもできる。
だけど水や食料は、直接命を維持するために必要で、
無しで済ませるわけには、いかないものたちなのです。
水と食料環境を守ることは、何よりも優先されるでしょう。
食料をめぐる闘いにおいては、貿易協定が最前線ですが、
水を巡っては、国土と環境をめぐる闘いが始まっています。
日本は比較的水が豊かで、水道水が直接飲める国ですが、
世界中のほとんどの国々では、水道水でさえ煮沸が必要です。
日本のこの豊かさは、失われて良いはずがありません。
日本国を守るとは、国民の衣食住を守ることであり、
そのためには、水や食料を得る環境を守ることが第一です。
自衛隊の一番大きな任務は、そうした環境を守りながら、
災害被災した人たちを救助し、被災地の復旧を担う、
災害救助隊的な役割である、と考えるべきでしょう。
世界各国との貿易による絆が、平和にも貢献するので、
貿易を増やすのは良いことですが、水と食料は自給したい。
石油をめぐる闘いで、再び悲惨な戦争することなく、
基本的にSDGsを目指して、世界各国との調和を図り、
穏やかな暮らしが続くことを、切に願っています。