子ども・若者白書
内閣府の2017年度版、「子ども・若者白書」が発表されました。
世の中は景気が良いようで、就職求人数は相変わらず売り手市場ですが、
どういうわけか若者の反応は悪く、ニートの数が増えてきています。
仕事も通学も求職もしないニートが、なぜ増えてしまったのかと見れば、
「知識・能力に自信がない」「探したが見つからなかった」と言う。
こうした自信喪失の若者が、どうして増えているのかと考えると、
そう言えば何年も前から、日本の若者は諸外国に比べて自信がなかった。
いわゆる自己肯定感が低く、自分が幸せだと思えない若い人が多くて、
社会情勢と個人感覚の間に、何か食い違いが起きている感じがするのです。
特に日本人の感覚には多様性が少なくて、多様な価値観が認められない。
海外の多くの国では、学校や会社は一つの価値基準でしかなくて、
そこで認められなければ、他の場所で認められればいいと考えています。
だけど日本ではいまだに、社会は一つの価値観でまとまるべきと思うのか、
例えば学校の成績がダメなら、仕事も社会性も全部ダメだと思い込む。
個人の人のユニークさは、ほとんど認めない感覚があるようです。
自分の個性を活かすと言うより、資格や技術を身につけることで、
社会への適応性を増すことにより、自分の居場所を作ろうと努力する。
もともと違う個性なのに、社会の価値観に合わせようとするから無理が生じ、
結果として「知識・能力に自信がない」となって、自ら落ちこぼれていく。
実はそうでない価値観もたくさんあって、混沌としているのが実社会なのに。
若い人は学校で長い年数を過ごす内に、学校の価値観がすべてだと思い、
学業不振や希望の進路に進めないことで、自分の価値が見いだせなくなる。
しかし実際には、学校の価値観や学業成績とは違う価値観があって、
多様な生き方があることを、もっと教えるべきだと思うのですが・・・
一つの価値観で纏まることには、利点もあるけど欠点もあると知るべきです。
例えば今の社会では、ビジネスを盛んにしてお金を増やすことが、
学業の次の社会で信じられている価値観ですが、実際はそれだけではない。
僕のように自然農をする人もそうですが、お金を増やすことは問題だと考え、
そうではない価値観による、生活の在り方を模索する人もいます。
経済に振り回されながらも、お金に縛られない生き方を模索する人もいる。
それは余りにも貧しい国だと、試みることもできないかも知れないけど、
衣食足りて礼節を知るから始まり、日本は次の段階を目指してもいいはずです。
衣食足りたなら次に何を目指すのか、いつまで経ってもお金しかないなら、
そんな価値観は一握りの人しか幸せにはしないし、むしろ不幸を増大させます。
そろそろお金ではない価値観へ、進化すべきだと思うのですが・・・