毎年8万人以上の行方不明者!

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日本における行方不明者は、平成14年をピークに、
減少しているとは言いますが、毎年8万人以上います。
年代別では、10代の行方不明が2割を占めて、
次に多いのが20代ですから、若い人の行方不明が多い。
全体の7割以上が、その後1週間以内に戻っており、
1週間で戻らない場合、見つかる確率はずいぶんと減る。

確かに若い頃には、親家族や身の回りが煩わしくなり、
消えてしまいたいと思うことは、よくあることです。
だけど家族にしてみれば、突然いなくなるなんて最悪で、
警察に捜索願を出して、事件性がないか調べることになる。
そして多くの場合、事件に巻き込まれるよりは、
自らの意思で、どこかへ行ってしまうのでしょう。

僕の場合は、親元を離れて東京の大学へ出た時点で、
ほとんど家出と同じように、連絡もしないで暮らしました。
だけど居所はあるし、連絡がつかないわけではないから、
年に数回連絡する程度でも、捜索願など出るはずもなかった。
その後の旅暮らしや、ロサンゼルスで暮らしたときも、
年に数回しか連絡しなかったので、行方不明のようなもの。

1週間で戻るような行方不明なんて、僕から見れば、
暫く家を留守にしたようなもので、心配することもない。
だけどそれが10代の若い人の場合、家族は心配で、
捜索願を出すのだろうと、推察はできるのですが・・・
僕なら1ヶ月や2ヶ月の音信不通は、当たり前なので、
帰ってくれば普通に挨拶して、それだけのことでしょう。

あちこち旅をしていた頃に、不思議に思ったのは、
日本人の家族の濃密さで、自立できない親子関係でした。
そもそも10代以前の子どもなら、どんな国の子も、
しっかり親が見守るので、行方不明など大変なことです。
だけど自分で何でもできる、10代まして20代になれば、
1週間くらい姿が見えなくても、驚くことはありません。

どんな大人だって、突然どこかへ行きたくなったり、
毎日の生活がいやになって、放り出したくなるときはある。
日本では家族や職場の繋がりが緊密で、1週間姿を見ないと、
何かあったのではないかと、心配されるのが普通です。
だけど多くの国では、2週間や3週間姿が見えなくても、
旅にでも行ったかな?、と考えて終わりでしょう。

心配しないのがいいとは言いませんが、日本の親子関係は、
自立心が乏しく、良くも悪くも緊密でお互いに依存している。
その背景には、子育て時期の親子関係が起因しており、
欧米の別寝室とは違って、アジアでは親子が一緒に寝ます。
寝ても覚めても一緒では、自立心が育つのは難しいので、
そのまま大人になれば、自立できない親子になるのでしょう。

1週間2週間の旅があたりまえで、家族や地域から離れ、
今までとは違う環境で、自分を見詰められるようになればいい。
そのとき初めて、客観的に自分を見詰められるようになって、
自立心が芽生え、自分の生き方を自分で考えられるようになる。
若いときの旅はその意味で重要なので、捜索願を出すよりも、
帰りたいときに帰れる環境が、大切なのだろうと思います。