「アトピー性皮膚炎」

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3月は花粉症の季節ですが、それと同じように、
やっかいなものに、アトピー性皮膚炎があります。
我が家では姫が、冬の季節に皮膚炎が発症して、
夜になると掻きむしるので、膝の裏がぼろぼろになる。
妻は甘いものを食べるからいけない、と信じていて、
甘いお菓子などが、天敵のように嫌われています。

僕も以前は、アトピー性皮膚炎を疑う症状があって、
ステロイド剤を使っていましたが、これも悩ましかった。
ステロイド剤を使うことに関して、副作用が怖いとか、
次第に利かなくなり、強い薬が必要になると言われたからです。
果たして何が本当なのか、総合的な知見を得たかったけど、
ネットで調べると、様々な情報がありすぎてよく分からない。

しかもこれが幼い子どものことになると、母親は心配して、
あれやこれやと人の意見を聞いてきて、信じようとする。
果ては西洋医療ではダメだとかで、漢方を試すことになり、
去年はそのために、何度が金沢へ足を運んだのです。
だけどやっぱり、何が本当で何が正しいかわからなくて、
理解をあきらめかけていたとき、この本を見たのです。

富山病院皮膚科医長の、花川博義さんがお書きになった、
その名もずばり、「アトピー性皮膚炎」と言う本です。
同じ一万年堂出版から、安心健康ナビ・シリーズとして、
花粉症の本も出ているようで、、まずは皮膚炎を読んでみる。
するとアトピー性皮膚炎のことが、基本から書いてあって、
どう受け止めて治療するか、全体がわかったのです。

現代に生きる僕らは、ともかく有り余る過剰な情報で、
何が大切なことかわからないまま、振り回されています。
だけど皮膚炎の原則と、ステロイド剤の実際を知れば、
そう難しいことではなく、自分の立ち位置がわかるのです。
立ち位置がわかるとは、全体が見えることですから、
自分のやっていることが、いいのかどうかもわかります。

この本の全体的な構成は、
(1章)アトピー性皮膚炎を取り巻く謎
(2章)ステロイド剤は怖いですか?
(3章)治療のあれこれ
(4章)良医・名医に掛かるには
(5章)アトピーっ子を持つ親の立ち位置
となっていて、多くが親の立場で書かれています。

中でもコラムは秀逸で、「パパに薬を塗ってもらおう」とか、
ジェネリックと先発品の違い」には、納得できました。
父親に対する信頼によって、薬は何倍もよく効くし、
そうした触れあいによる安心が、子どもの症状を和らげる。
またジェネリック薬品は、先発と同じと思いがちですが、
これがまったく別物だと、納得のいく説明もあったのです。

専門書ではない、薄っぺらな読みやすい本ですが、
実際のアトピーっ子を持つ親には、必要十分な本なのです。
これを読んで実際に子に向かい、うまくいかないことは、
医者にどう相談すれば良いかも、わかりやすく書いてある。
「安心健康ナビ」と謳うだけあって、素人に読みやすく、
これなら悩める人たちに、進められると思いました。