放射性廃棄物と地層処分
原発を止めることなく、動かし続けている政府は、
たまり続ける放射性廃棄物を、どうするつもりなのか?
特に危険な高濃度放射性廃棄物と、TRU廃棄物は、
地層処分をすることになっていますが、場所は決まらない。
それもそのはずで、世界中のどこを見回しても、
ガラス固形化された廃棄物を、地層処分する国はない。
唯一アメリカが、いったんユッカマウンテンに決めますが、
地元ネバダ州の反対を受けて、中止になっています。
フランスはビュール近郊で調査中ですが、いまだ決まらないし、
ドイツは原発を廃止することを決めて、処分場を探している。
スエーデンとフィンランドは、そもそも再処理しないので、
使用済み核燃料を、直接地層処分する候補地が決まっている。
場所が決まらない最大の理由は、あまりに危険性が高く、
地元の了解を得られないからで、当然と言えば当然でしょう。
人間が近寄るだけで即死する、高濃度放射性廃棄物を、
専用の船とトラックで移動して、埋める作業事態も危険です。
間違って事故でも起きれば、これを回収する方法はなく、
その場でコンクリートで囲って、住民は非難するしかない。
なんとかうまく地下に埋めたところで、安全になるには、
1万年も掛かるわけで、その間に天変地異が起きたらどうなる。
先日の白根山だって、誰も予想しない場所が噴火しているし、
日本列島に天変地異が起きない場所など、あり得ません。
それにも関わらず、危険な廃棄物を出し続ける原発を、
止めることも出来ない政府に、国民の安全は任せられません。
原発を止めない政府は、その理由として経済的理由を挙げ、
たとえ事故が起きて補償費用を支払っても、割安だと言います。
人々の平穏な暮らしを奪い、長く避難生活を余儀なくする、
放射能事故に対する不安は、お金換算では解決しません。
これ以上の物の豊かさよりも、過剰なサービスよりも、
人々が助け合って穏やかに暮らす、安心こそが欲しいのです。
とんでもない話なので、賛成することなど出来ません。
そんなお金など欲しくないし、お金のために未来を売るなら、
僕らは子どもたちのために、あまりにも愚かな選択となる。
南砺市はこの10年間、市民協働の町作りをしているので、
よもや話があったところで、市民が反対して阻止できると思う。
だけど行政をする人は、人を懐柔することに長けており、
さらに個人の心情よりも、上司の支持に従う体質があります。
個人的にはイヤだけど、仕事としてやらざるを得ない、
なんて考えがまかり通れば、戦争だって何だって起きる。
天変地異と共に暮らす日本で、原発があまりに危険だとは、
すでに20年前から、ずっと一貫して主張してきたことです。
それを安全だと言い張って、原子力行政は進められて、
心配したとおりに事故は起き、大勢の人が非難している。
お金による保証や経済効果ではなく、人々が何を求め、
どんな未来を望むのかを、今一度考えて欲しいと思うのです。