今あることに感謝して
三つ子の魂百まで、と言われるとおり、
自分の本質は、生涯変らない気がします。
特に僕の場合は、幼い頃から遠くに憧れがあって、
あるいは多くの挑戦をして、自由に生きてきました。
おかげで命の危険もあったし、悪いこともしたけど、
ここまで無事に生きてきたことが、成果ではある。
「迷ったらやってみる」、と言うのが僕の基本で、
若い頃はあまり人に相談もせず、独断で行動しました。
そのために人付き合いは悪く、一風変った人として、
それを気にもせずに、わが道を歩んできたのです。
多くの挑戦には、それなりの成果もあったのに、
満足することなく、新しい挑戦を続けてきた。
そして2000年を機に、隠遁生活をする気持ちで、
生まれ故郷でもある今の地に、移り住んだのです。
だけどまもなく、9.11NY事件があって、
新しい時代を感じ、自分でも何かしようと思った。
そこで自然農に出会い、平和映画祭に参加し、
まみあな活動をして、市民活動を広げたのです。
気がつけばもう、2017年も終盤ですから、
僕も長い間生きたものだと、自分のことを感心する。
子どもの頃は食が細く、食べられないものが多くて、
肉類は口に入れただけで、吐き気がしたものです。
そんなことでは外国で暮らせない、と先生に言われ、
本気で心配したものですが、海外でも暮らせました。
やってみたいと思ったことは、なるべく挑戦して、
得たものも多かったけど、失ったものだって多かった。
LAでは男に襲われ、口に溜った血を吐き捨てながら、
匿ってくれそうな人のアパートへ、転がり込んだ。
プール付きのアパートで、優雅に暮らしながら、
そのままアメリカの市民権を取ろう、と思っていた。
自分は何をしているのか、怖くなったこともある。
バブルの時期には、ひたすら働いたときもあり、
就職したときは、10日以上の夏休みを条件にした。
経済が世知辛くなったときに、仕事を辞めて、
また新たな人生を求め、この地に帰ってきたのです。
不足を言えばば切りがないけど、よくぞ無事に、
ここまで生き延びたと思えば、家族がいることに驚く。
結婚してくれた人に感謝するし、生まれてきてくれた、
新しい命には、その奇跡に驚くばかりなのです。
雨露をしのぐ場所があって、僕を慕う家族がいて、
今日を生きる糧があることを、感謝して生きている。