「モアナと伝説の海」

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ストーリーを知る前に、好きになってしまったのは、
CGの映像があまりにも美しく、リアルだったからです。
初っぱなの映像で、主人公モアナがまだ幼少の頃に、
海に選ばれる様子が、何とも言えず透明感があってに美しい。
45年前に、初めて沖縄の珊瑚礁の海を見たときの感動が、
一瞬にして蘇ったような、心地よい感動がありました。

CGのリアル感が、ここまで来れば言うことはありません。
人間の表情などはまだ、実写に劣る事は否めませんが、
自然の描写は、もう十分に実写を超えている感じがする。
実写を超えるとは、おかしな表現かも知れませんが、
僕らは自然の風景に対しても、心が作用して見ているので、
心に描かれた情景を、写真で見ると物足りなかったりします。

その実際にはあり得ないような、心が見た完璧な情景を、
CGを使うことによって、見事に描き出してくれているのです。
嬉しくなってみていると、ストーリーもわかりやすく、
一緒に見ていた我が家の姫も、最後まで興奮していました。
特にこの映画では、父母よりもお婆ちゃんやご先祖さんが大切で、
隠されていた伝説が、モアナを強く導くのが魅力的です。

あまり詳細を話すと、つまらなくなるので話しませんが、
海の魅力に惹かれた少女モアナは、海の精に選ばれてもいる。
海を愛するモアナと、海の精がタッグを組んで冒険に出て、
伝説の英雄を見つけ出し、一緒に失われた神の心を返しに行く。
物語は単純で、いかにも子ども向けのようではあるのですが、
見方によっては、現代の環境を風刺している感もある。

難しいことは言いませんが、ともかく海の美しさは抜群で、
遠方から見た風景もいいし、間近に見る海の様子も優れている。
光の扱い方が特別に素晴らしく、CGの技術とよく合って、
実際の自然よりも自然な感じで、美しく海を描き出している。
美しい海水の透明感が、本物の南の海を思い起こさせて、
それがそのまま、大冒険の舞台になって荒れ狂います。

モアナをはじめとする、人間の肌や髪の様子も完璧で、
これで顔の表情がもっと自然なら、全映像が実写を超える。
たぶんあと何年か後には、実写かCGかわからない人が登場し、
映画そのものが、大きくかわってしまうかも知れない。
そんなことを思いながら、心楽しく冒険活劇を見て、
なんだかもう一度、夏に戻ったような気がしたのでした。

同じ歌が中心の映画として、「ラ・ラ・ランド」も見ましたが、
モアナの方が魅力的だったので、こちらの感想を書きました。