シェルター運営を考える
29日(土)の午後、NPO「Nプロ」(ひと・みち・まち)主催で、
「シェルター運営を考える」講演と、意見交換会がありました。
以前から継続して、「DVの無い社会を目指して」行われている試みで、
今回の講師は、全国女性シェルターネット理事の近藤恵子さんです。
場所は高岡のウイングウイングで、最近は高岡まで行くことが減って、
今回は久しぶりに、声を掛けていただいて参加してきました。
DVの問題は、どちらかというと関心が薄かったのですが、
去年からいろいろ参加して、問題意識を持つようになりました。
特に11月13日(日)に、このブログでも紹介した講演と勉強会で、
ジェンダーが深く関わっていることを、知るようになってからは、
身近に起きる問題でありながら、容易に解決できないと理解しています。
最近のニュースを見ていても、インターネットやSNSを使った、
小中学生が巻き込まれる事件が、多くなっているのが分かっています。
悪意ある大人が、まだ何も分からない小中学生を相手にして、
言葉巧みに騙して、児童ポルノに巻き込んでいく事件が増えている。
と同時に、まったく悪意のないままに子どもたちの興味本位で、
自撮りの裸体などがネット上にアップされ、拡散しているものもある。
こうした背景を基にして、人々の無意識の性差別が氾濫しており、
その無意識の差別や無意識の反発によって、暴力的行為が行われます。
本来家庭内の問題でもないようなことが、微妙にソリが合わなくなって、
攻撃的な暴力によって、解決を試みようとするのがDVです。
直接殴る蹴るの暴力から、言葉による支配や脅しまで、
人は考え得るありとあらゆる手段で、相手をねじ伏せようとする。
そこから抜け出すのは容易ではないし、多くの被害者は、
自分が被害者であるとさえ気づかず、自分が悪いのだと思う人もいる。
社会的には上の立場の人が、家庭においても上にいようとするのか、
医師や弁護士、会社経営者や国家公務員などが思いのほか加害者になる。
そして被害者には弱い立場の人が、服従を強いられるのがDVで、
目に見えない形で、多くの人の人生を蝕んできているのです。
法的な整備は、2001年のDV防止法制定から20013年まで、
三次に渡る修正と、関連法制度改革が進んできたのです。
しかしその実情を見ると、全国に公共シェルターが出来たにもかかわらず、
特に公共施設の活用率は低く、民間の方が利用されているといいます。
そこには縦割り行政の悪癖もあるでしょうし、利用者にとって、
敷居の高さから申し込みにくい、ということもあるかも知れません。
しかしながら民間シェルターの場合、運営資金は足りていないようで、
さらには公共の施設や職員も、厳しい財政事情に晒されているようで、
こうした実情をこれからどう変えていけるか、課題は大きいのでしょう。
さらに具体的事例として、自ら駆け込める人はまだ良い方で、
お年寄りや子どもなどは、自ら相談に来ることも難しいのです。
社会環境は大きく変化して、プライバシーが尊重されますし、
近所の家庭事情でさえ、うっかり介入できない社会体制があります。
こんな時代にVDを無くすには、幼少の頃から正しいジェンダー教育と、
社会全体での認識を育てていくことが、将来へ向けての重要課題でしょう。
と同時に今現在の被害者を、どうやって守るかにおいては、
やっぱりシェルターなどの充実が、弱者を守るには必要不可欠なのです。
《 追伸 》
後から知ったのですが、今回の勉強会には、
富山県議会から女性議員が3名全員と、県の担当者、
児童相談センター所長、ひとのま関係者などが参加されていたようです。
こうした横の繋がりからも、何か新しい動きが出来ると良いのですが・・・