地上から珊瑚が消える頃

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先日グレートバリアリーフの、白化現象が止まらず、
すでに回復する見込みもない、とのニュースを見ました。
ご存じの通り、オーストラリアのグレートバリアリーフは、
世界最大の珊瑚礁であり、美しいリゾート地でもある。
この白化現象は去年から顕著で、すでに1/3が白化しており、
今年も海水温が上昇しているので、さらに広がると言う。

日本でも同じように、石垣島から他竹富島を含んで、
西表島にいたる広い珊瑚礁で、白化現象が進んでいます。
45年前には、あれほど豊かだった沖縄の珊瑚礁でも、
今では本島周辺では壊滅して、離島にわずかに残るのみです。
地球温暖化との、密接な因果関係が言われていますが、
アメリカ大統領は、地球温暖化など「ない」とさえ言います。

世界中で誰一人、この星の現状に責任を持たないまま、
経済開発と紛争を拡大し、この星は生命の危機を迎えている。
生物多様性の大切さを言われて、すでに久しいのですが、
現実は命を大切にする以上に、開発と正義によって滅ぼされる。
千年万年を掛けて滅ぶのは、命在るものの定めと言えるけど、
50年100年で滅ぶのは、愚か者のなせる技でしょう。

世界の最先進国である日本では、愚人による独裁が続き、
国民の多くが経済信仰によって、生命活力を失いつつある。
今はまだ大丈夫と思いながら、お湯の中の蛙の如く、
気がついた頃には、抜け出す力も無くなっているかもしれない。
世界最強の国であるアメリカが、そう仕組んだとおりに、
日本は様々な実験場として、絶滅危惧人種となったのです。

その象徴的な沖縄では、すでに人権はなくなっており、
経済開発と軍事展開によって、権力の支配が進んでいます。
日本に伝統的にある「生かさず殺さず」が、広く行き渡って、
ひたすら税金を納めて、国家の礎となることが求められる。
弱いものを虐げて強いものが力を増し、マスコミに至っては、
政府と行政の業務報告ばかりで、ジャーナリズムはない。

僕はこの星の日本に生を受けて、少しは世界を見て歩き、
珊瑚礁の美しさに見せられて、さらにその死を目撃しました。
真っ白な砂浜から、透明な海水の中に足を踏み入れると、
すぐに芋貝や小魚に出会い、石はことごとく生きた珊瑚だった。
ウニやサザエを採って食べ、色鮮やかな熱帯魚を写真にして、
やがてそれらが滅んでいくのを、見せつけられた。

農業用の土地改良や建物造成で、地上は生産高くなり、
それに伴って、海の中は徐々に死の香りが広がった。
地上で絶滅危惧種の話しが声高になる頃、海の世界では、
それ以上の早さで、誰にも知られずに絶滅する生き物がいた。
経済性を重んじるあまり、命を疎かにする社会が進み、
海に珊瑚が死に絶える頃、人々はどんな暮らしをするのか。