経済成長は幻想?

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経済成長って、本当にあるんでしょうか?
技術革新とか合理化とか、もっともらしい説明は、
ずっと聞かされますが、なんだかどうも腑に落ちない。
そこで経済成長を、ちょっと違った視点で見ると、
世界中どこでもそうですが、都市化が関係しています。

もともとどんなに豊かな国でも、自給自立の生活で、
都市化や人口集中が起きない国では、経済成長なんてない。
そもそも経済成長とは、それまでお金換算しなかったものを、
お金経済に取り込むことで、膨らませただけのものです。
技術革新や合理化なんてのは、わずかしか関係なくて、
今まで自給で作っていた米を、お金にすれば膨らむのです。

日本の戦後を見れば、とてもわかりやすいのですが、
戦後復興という名目で、大勢の農民が工場労働者になる。
すると今まで、田舎でのんびり暮らしていた人が、
賃金を受け取るようになって、経済成長が始まります。
田舎にいるよりも、都会へ出た方が豊かな暮らしが出来る、
と思った多くの人が、都会に集まって経済活動をする。

この流れに拍車がかかったのが、いわゆるバブル景気で、
地方から多くの人が都会に移って、給与労働者となりました。
そうすれば当然のこと、今まで自然な自給自足経済で、
暮らしていた人が、お金経済に取り込まれていくわけです。
この都会化がバブル景気の原動力で、流動が止まれば、
経済成長も止まるのは、どうにもなりません。

やがて田舎から都会への、人口移動が叶わなくなると、
今度は物理的な移動ではなく、新たな参画が求められます。
これが男女共同参画であり、地方創生と言われるもので、
次なる経済成長のために、引っ張り出されたのです。
こうしてあらゆる労働がお金化され、成長を促しますが、
すでに膨大な特別会計で膨らんだ借金は、無くなりません。

一般会計で、いくらプライマリーバランスを計っても、
公務員の天下り予算である特別会計で、膨大な借金が増える。
このシステムを止めない限り、日本の経済に未来はないし、
いくら経済成長しても、公務員以外の庶民は救われない。
この状況を知れば、男女共同参画も地方創生も、
焼け石に水だし、ばかばかしく思えてくるのです。

すでにバブル期のような人口移動は、あり得ないし、
大きな経済自体がもたらす、弊害も見えてきているのです。
男女共同参画は、女性を男性化する発想ではなく、
男性化社会を女性の方に引き戻す、方向であって欲しい。
そして地方創生は、お金経済の拡張を目指さずに、
豊かな自給自立の暮らしに、戻れる余裕が欲しいです。

一握りのエリートや、経済覇者だけを目指すのではなく、
あらゆる人が、それぞれ自分の生き方を認められる社会へ。
経済は成長しなくて良いから、人間が成長できる、
多様性豊かで人権を尊重する社会へ、転換しなければ、
僕らはもう、これ以上幸せにはなれないでしょう。