「レッドタートル」

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去年の9月19日(月)に、久しぶりに映画館へ映画を見に行って、
「君の名は」を見るつもりが、あまりに混んでいて違う映画を見ました。
その時見たのが、「レッドタートル ある島の物語」だったのですが、
とても良い映画で、ブログに少しですが感想も書いています。

そしてそのあと映画の印象が忘れられなくて、後日にもう一度、
別の映画の紹介のときに、この映画の印象を書いています。

どちらもこの映画が素晴らしかった、気に入ったと書いていますが、
作品の内容に関しては、あまり多くを書いてはいません。
それでもずっと心に残っていたら、この映画が第44回アニー賞で、
長編インディペンデント作品賞を受賞した、との記事を見ました。
自分には関係の無い話しではありますが、なんとなく嬉しい。

とてもシンプルで、無駄なものはないのに必要なものが詰まっている。
特に海が大好きな僕にとっては、映像の美しさも忘れられないし、
無人島に流れついた男が、亀に見初められて一緒に暮らすようになりますが、
人間の孤独と家族の喜びが、なんともクールに描かれているのです。
実写では描き得ないような、それは美しくて切ない命の物語りが、
まったく台詞のない映像によって、見事に表現されていました。

過去に日本の作品でアニー賞を取ったのは、宮崎駿監督の、
千と千尋の神隠し」だけのようですから、両方ともジブリです。
宮崎監督はいったん引退して、また何か作り始めたようなので、
今度はどんな作品になるか、今から楽しみにしています。

観客動員数としては、「君の名は」が遙かに多いのでしょうが、
あれは小説で言えば直木賞系で、ジブリ芥川賞系の匂いがする。
どちらも良いのだけど、世界に直木賞的エンタテイメント作品は数多くても、
芥川賞的な純文学でいながら、多くの人を惹きつける作品は少ない。
その意味でやはり、ジブリもこの作品も凄いと思います。

ちなみに「レッドタートル ある島の物語」は、監督が日本人ではなく、
マイケル・デュドク・ドゥ・ビットと言う、フランス人なのもいい。
ジブリはこれからますます、世界の中で存在感を深めて欲しい。
アニー賞の記事を見て、とりとめもなくそんなことを考えました。