自然農人が餅つき
今年も恒例、石黒家の餅つきに行ってきました。
我が家の餅は、大正餅が1臼とミドリ米餅が1臼で、
今年はこれに、ミドリ米をベースに黒豆を入れた餅が1臼、
合計3臼をお願いして、つかせていただきました。
集まった人数は、多くもなく少なくもなく30人くらいで、
相変わらず子供が多いので、賑やかな集まりでした。
僕は我が家の3臼のうち、1臼半を自分でついて、
残りの1臼半は、妻と石黒家の子どもたちがついてくれました。
僕の体調が悪いときは、全部ついてもらったりしますが、
今年は元気だったので、半分だけ自分でついたのです。
妻も半臼だけですが、やってみたいと言ってついていましたし、
手返しを2臼やったので、だいぶ板についたようです。
石黒家の男の子4人は、全員揃っていましたが、
唯一の女の子だけ仕事が休めず、ちょっとさみしい。
それでも子どもたちは全員が、独立しているので、
石黒さん夫婦は、以前よりもだいぶ落ち着いた感じです。
この子どもたちが学校へ行っていない、と聞いた15年前には、
人ごとながら心配したものですが、今は全員自活している。
学校は行かなくちゃ行けない、と思い込んでいた僕は、
石黒さんとの出会いによって、思い込みの縛りが解かれました。
市民活動をする中で、社会にはいかに多くの思い込みがあり、
無意識なまでに、特別な価値観が刷り込まれている。
そうした縛りから解放されるだけで、選択肢は増えるし、
かたぐるしい思いをしないで済む、と学んだのです。
長男は海で漁師になり、次男は街で引っ越し屋、
そして三男は山で猟師になって、四男はプロゴルファー。
唯一の女の子が、レストランで働いていますから、
それぞれまったく違った生き方をして、自活しています。
もちろん学歴がないと、就けない仕事もありますが、
生きていく選択肢は、いくらでもあるのです。
就職できないと嘆いている、現代の若者を見ていると、
もっと自由に、自分が何をやりたいのか考えれば良いと思う。
やりたいことを10年努力すれば、それなりの力がついて、
学歴など関係なく、生きていく力が身についてくる。
必要ないほど多くの人が、学歴を持つ時代だからこそ、
学歴を離れた生き方が新鮮で、魅力的でもあるのでしょう。
しかしまあ、こうして集まって食べる食事は美味しくて、
子どもたちも食欲旺盛に、いろんなお餅や料理をいただきました。
納豆餅、とち餅、サツマイモ餅、きなこ餅、といろいろあります。
これを一つずつ食べるだけでも、お腹いっぱいになるのですが、
雰囲気に紛れて、気がついたら10個くらい食べるのです。
一年間のいろんな話をしながら、もう来年の話をして、
何年も北海道で仕事をしている長男は、富山に帰るかもとか。
富山市でレストランの仕事をしている娘は、近々退職して、
イタリアへ行って、レストランで働いてみたいとか。
いろんな夢が飛び交って、今年も過ぎていくようです。
自然農をする人は、地に足がついている感じがいいですね。