ブータンは何処へ向かうのか

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国の価値観として、GNPよりもGNHを謳い、
幸福の国として有名になった、小国ブータンですが、
最近になって、困ったニュースが広がっています。
若者の失業率が上がり、薬物依存に陥る若者が増えて、
将来に多きな不安要素が、膨らんでいるといわれています。

真意のほどは、現地へ行ってみないと分かりませんが、
いくつかのニュースを拾ってみると、たしかにその傾向はある。
例えば若者の薬物依存は、2012年から2015年にかけて倍増し、
大きな社会問題になっているようですが、その背景には、
田舎の農業を捨てて都会に出た若者は、仕事らしい仕事もなく、
街でぶらぶらしているうちに、薬物に手を出すらしいのです。

それでも総じてこの国の価値観は、まだ経済汚染は少なく、
お金のためなら何でもするような、困った人は少なさそうです。
おしゃれも広がってきているようですが、西欧化は限定的で、
女学生の若い女性も、民族衣装的なおしゃれをしている。
Tシャツにジーンズの、アメリカナイズした若者いるけど、
おしゃれな人はむしろ民族衣装を愛し、工夫して身につける。

田舎の農作業を継ぐ若者は、少なくなっているようですが、
それは何処でも同じ、お年寄りが元気で引退しないから、
若者は別の仕事を求めて、都会へ出るという図式なのでしょう。
そうかと言って、国の収入は電力を売るなどの事業収入で、
一般的に人を雇うような、工業化も進んではいないようですから、
この先も若者を吸収する産業と言えば、サービス業しかない。

ブータンはたしかに行ってみたいし、観光産業は需要があるけど、
それはあくまでも、今のように懐かしい風景があるからです。
これが観光化が進んで、人々が慌ただしくなってしまえば、
わざわざ見に行く魅力も、あまりなくなってしまうでしょう。
現状ののんびりした暮らしを維持しながら、若者の仕事も作る、
それが今後の課題でしょうが、そんなにうまくいくのかどうか・・・

せっかく経済ではない幸福を、世界に宣言しているのだから、
具体的にどうなれば良いのか、真剣に考えていただいて、
経済成長ではない幸福を、具体的に見せて欲しいと思うのです。
それができれば、世界中から人々が見に来ようとするから、
それを適度に制限して、若者の仕事需要につなげれば良いでしょう。

だけど究極の方向性としては、衣食住の自給自足を目指し、
自らの国内で循環型社会を実現すれば、世界がそれを注目する。
一人の人が大きな成功をするよりも、大勢の若者が自ら役割を得て、
助け合いながら暮らせる社会を作ることを、目指して欲しいと思います。