選挙に出るなら百万円?

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前回の南砺市市議会選挙立候補者

僕は現在、南砺市選挙管理委員会から選任されて、
富山県知事選挙における、期日前投票管理者をしています。
これは10年ほど前に、立会人公募に応募して以来、
立会人を続ける内に依頼されて、引き受けるようになりました。
選挙の期日前投票を、もう何度もつぶさに見てきていると、
いろいろ気づくこともありますが、選挙はやはり民主主義の根幹です。

同時にまた、南砺市が協働の町作りを掲げるようになって以来、
条例の策定に関わって、「まちづくり基本条例」策定のお手伝いをしました。
その後はいくつかの審議委員会に参加して、南砺市の町作りを見守り、
その延長上で、昨年は植物園の園長や椿館の館長をやらせていただいた。
やめた理由の一番も、協働の町作りの精神に則って判断した場合、
納得できないことが何かとあり、続けることを良しとできなかったのです。

青臭いと言われるかもしれませんが、生涯にいろんな仕事をしてきて、
人生の最後にやる仕事は、納得のいくことをしておきたいと思ったのです。
こんな僕の様子を見て、次の市議会選挙に出ないかとお誘いもあり、
普段から市議会に不満もあった僕は、真剣に考えてみたこともあります。
ちょうど今年は改選の年で、11月に選挙があるのはわかっていましたから、
タイミング的には悪くない話しで、検討する価値はあったのです。

しかし詳しく話を聞いてみると、僕が選挙に出るにはいくつか、
解決しなければならない、難しいハードルがあるとわかってきました。
一つは選挙費用で、いくらお金の掛からない選挙をしようとしても、
最低でも100万円くらいは、費用が掛かることを考えておく必要がある。
また支持票固めのために、同窓会か町内会か何か支持母体が必要で、
これを用意できないと、選挙を戦うのは難しいと言うことです。

残念ながら僕には、100万円のお金は用意できませんし、
同窓会や町内会の支持母体もないので、これは最初から困難でした。
町内会の知り合いに聞くと、すでに次の選挙の立候補者は決まっていて、
あんたには無理だ、と最初からけんもほろろの回答しかもらえません。
同級の友人に聞いてみても、あんな世界はあんたには向かないから、
やめた方がいいよ、とはっきり駄目出しをされてしまう始末だったのです。

町内会の知り合いはともかく、同級の友人は僕のことをよく知っており、
僕が普段からやっている活動は、選挙とはまったく別のものだと言うのです。
確かに僕は理想を求める余り、世間知らずのところもありますから、
南砺市の顔役を務めたこともある友人の言葉は、重く響いてきたのです。
どろどろとした地方政治の世界に、足を突っ込んでしまうよりも、
僕は僕の生き方を貫くことで、何かを示すことが大切なのでしょう。

そう判断してみれば、すっきりと迷いも吹っ切れましたので、
選挙の方は別の人を応援し、僕は今まで通り自分の生き方を貫きます。
ただ将来のことを思えば、選挙カーを走らせて自分の名前を連呼するような、
知名度と厚かましさで戦う選挙ではなく、政策論争で戦って欲しい。
そんな人が僕のように貧乏でも、立候補できるような仕組みを作って、
議員が中心になって将来の町作りを議論できる、そんな選挙になればいい。

そんなことを考えながら、期日前投票の管理者をしていますと、
どこからともなく、富山市議会選挙の不正事件のことが耳に入ってくる。
以前に富山市市議会議員を務めたこともある、市民活動を共にする友人は、
今立候補すれば受かると思うけど、立候補したいとは思わないと言う。
民主主義の根幹であるはずの選挙は、今どうなっているのか、
立会人をやっているだけでは見えないことが、いろいろとありそうです。