鳩間島

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沖縄滞在ではメインの石垣島のほかに、毎回どこか別の島を訪ねていますが、
今年は八重山諸島の中から、小さくて辺鄙な鳩間島を選んで行きました。
鳩間島へは10年以上前になら、何度か行ったことはあるのですが、
今はどうなっているか、まったく島の様子はわからずに行きました。
ただ基本情報だけは、インターネットで調べていったのですが、
この情報も新しくはない、何年も更新されていない感じのものでした。

それでも以前に使った宿はやめて、今回は新しい宿を選びましたから、
メンバーも家族旅行となって、新鮮な気持ちで訪れることができました。
島の桟橋は観光客用に新しくなっていましたが、島全体の様子は変わらずで、
家の数も少なく、島民人口も以前から増えた様子はありません。
もともと少ない家と人口ですから、減った感じもありませんでしたが、
静かな暮らしぶりは、いかにも古い沖縄の暮らしを感じさせてくれるものです。

今回選んだ宿は写真の通り、古い作りの家をそのまま使ったもので、
僕らはこの母屋のゲストルームを、そのまま使わせていただきました。
開けっぴろげの作りですから、プライベートもセキュリティもありませんが、
小さな島では犯罪もありませんし、この島には危険な動物もいません。
実は今回この島を選んだのも、姫が自由に歩き回れるようになって、
勝手に行動しても危険の無い島、ということで選んだのです。

島の自然は申し分ないし、選んだ宿も昔のままだから落ち着きがあって、
夜は蚊帳を張って寝たのも、子どもの頃以来の懐かしい体験でした。
妻や子どもも気に入ってくれて、気持ちよく過ごすことができましたし、
宿の主人も離島の人らしい分け隔てのなさで、接してくれたのも良かったです。
さらに言えば、今回初めて東のリーフに向かって泳いでみたのですが、
リーフ内にはたくさんの珊瑚が美しく、熱帯魚の群れも期待以上でした。

この島は以前にテレビドラマで紹介され、当時と同じ小中学校の事情で、
本来の島民には、すでに一人も子どもがいないのが現実です。
だけど学校がなくなれば、島は滅びてしまうと考える島民によって、
余所からの児童を、様々な形で受け入れてきた歴史があるのです。
今年は小中学校合わせて、3人しかいないと聞きましたから、
これからも厳しい事情は続くでしょうが、学校の雰囲気はすてきでした。

子ども時代をこんなところで過ごすのも、悪くない気はするのですが、
その後に過酷な競争社会に入ることを思えば、判断は難しくなる。
自分であれば良いと思うけど、自分の子であっても別人格と思えば、
自分の子であってもこの島の学校に入れるのは、やっぱりためらわれます。
せめてもう少し子どもの数がいればいいけど、3人では子ども同士で遊べない、
僕が今の暮らしで陥っているジレンマと同じで、簡単ではないのです。