吉岡さんとカフェ

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昨日いのくち椿館で、「ザ・トゥルー・コスト」の上映会を開き、
その昼の部が終わった後で、吉岡さんとフェアトレード・カフェを行いました。
吉岡さんはラオスと日本を行き来して、pray to nam~水の祈り~を立ち上げ、
ラオスの伝統的な織物を日本に紹介しながら、販売をして暮らしています。
先週末にはアースディに来ていただき、今回はいのくち椿館の上映会で、
映画の内容も関係していますが、ラオスの織物などを持って来ていただきました。

もちろんこれらの織物は、ラオスで伝統的な織り技術を使った作品ですから、
それなりの値段がついていて、僕らには簡単には買えないものが多い。
だけど映画の内容にもあったとおり、本来僕らが身につけて着るものは、
綿花の栽培から糸紬を経て布になるまで、大変な苦労が積み重ねられている。
しかもそうして作られた布を縫い上げて、一つのファッションになるまでには、
さらに様々な人の手が掛かるので、それなりの値段になるのは当然なのです。

いわゆる安価で、次々に新しいファッションを生み出して消費する、
ファースト・ファッションと呼ばれるものは、どこかにしわ寄せが来る。
安い労働賃金と経済性を求めて、世界中の弱者を食い物にする多国籍企業は、
世界中に自然環境破壊と伝統社会破壊を進めながら、利益だけを追求する。
その結果として、安い衣料品が次々に店の店頭に並べられて購入され、
使い切られることなく、廃棄衣料品として再び環境に負荷を増やしていく。

こんな儲けることを優先した社会で、伝統文化社会を守ることは至難で、
実際にラオスの衣料品も、伝統文化で作られたものは3割弱くらいだと言う。
あらゆる資源をむさぼって作られた商品を、次々に使い捨てにする消費文化は、
すでに限界に来ているというのに、いまだにこんな暴挙が続いている。
フォーラムで議論したことを、政府や国際世論に伝えることも大切ですが、
議論ばかりではなく、こうした具体的な行動がまだまだ足りません。

話を聞いていたら、吉岡さんは僕と同じ2001年の9.11事件の後から、
自分も何かしたいと思ってアジアへ渡ったのが、今の活動の基になったとか。
見たところ華奢な様子のご夫妻は、あまり大胆なことをする雰囲気でもないのに、
15年掛けて今の生活になり、落ち着いて暮らしておられるように見えました。
僕にとっては自然農をして暮らすことが、こうした価値観に繋がっており、
これからも多くの人と繋がりを広げながら、幸せな未来を育てたいと思うのです。