大地殻変動期?

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16日午前1時25分に起きた、熊本地方を震源とする大規模地震は、
14日夜に起きた震度7地震を前震とする、本震だと発表されました。
本震は震度としては6強ですから、震度7の前震より弱いのですが、
地震の規模はマグニチュード7、3で、M6、5だった前震の16倍あったのです。
それを証明するかのように、九州中部北部の広範囲にわたって揺れは広がり、
余震もかつてない規模で、17日現在も続いているようです。

大きなビルが歪み、家屋が倒壊して道路も寸断されているのですが、
それ以上に驚くのが、活断層がそのまま表出したような地殻変動の痕跡です。
田畑の中に続く亀裂が不気味に続き、避難所の傍にまでくっきりと見えているし、
まるで古代の地殻変動期を思わせるような、大規模な土砂崩れ。
こんな変動が何度も続けば、地形は大きく変わるでしょうし、
実際に地球の歴史の中では、そうしたことが何度もあったかもしれない。

僕らは学校の授業で、現在の日本の地形がどうしてできたかを、
誰かが見てきたかのように教わり、その時期を想像してきました。
もしかするとその現実を、今の時代の中で目撃するのかもしれないと思うと、
小松左京の「日本沈没」も、SF事とは思われなくなってくるのです。
僕らはあまりにも幸せな時代を生きて、美しい日本を謳歌してきましたが、
それはもう終わり、新たな時代が幕を開けようとしているのかもしれません。

まもなく富山では、G7環境サミットが行われる予定ですが、
人間の活動によって散々破壊した地球環境は、快復されるのかどうか。
人間同士で議論して、新しい目標などを設定している間にさえ、
地球本体はすでにトリガーを引かれ、新しい次元に向かっているのかもしれない。
それでも僕らは自らの望みに従い、目標を定めて実現していくしかないけど、
こうした大自然の動きを目の当たりにすると、呆然とせずにはいられないのです。

僕らはいったい何をやっているのか、もっと大切なことがあって、
何かやるべきことを、疎かにしているのではないかと疑わずにはいられない。
今日にも終わってしまうかもしれない命でも、せっかく生まれてきたのですから、
もっと何か大切なこと、やっておくべきことがあるのではないかと思う。
今の時代が大地殻変動期に突入しても、やるべきことは変わらないはずで、
むしろ余計なことを削ぎ落とし、本来の自分に向き合うにはいい時代になる。

僕の住む南砺市の井波は、昔から強い風が吹くところなのですが、
今夜はまた特別に強い風が吹き荒れて、古い僕の家をきしませています。
そんな激しい風の叫び声を聞きながら、必ず死んでいく命の定めを思うとき、
願わくば生きている間に、自分が何者なのかを知りたいと思う。
だけど自分の正体は、死んで初めてその航跡からわかるものだから、
どんな時代であれ、信じる道を歩いていくしかないのでしょう。