利賀そば祭り

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6日から8日まで、利賀でそば祭りがあるので、
平日の6日(金)に行って、温泉にも入ってきました。
今年は時間を早めに行ったので、百瀬の伝統行事、
「丑引き」と言うものを、初めて見ることができました。
大きな丸太を丑に見立てて、大勢の人が綱で引っ張る、
それだけの行事ですが、丸太に乗った人の口上が面白い。

なかなか言うことを聞かない丑を、なんとか動かそうとして、
いろいろ声を掛けたり、愚痴をこぼしたりするのですが、
牛を仕事に使った遠い昔の、仕事の様子が偲ばれます。
今どきこんな悠長なことでは、仕事にならないでしょうが、
当時は他に楽しみもなく、仕事そのもので息抜きをするために、
こんな口上が発達して、一つの祭りになったのでしょうか。

大きなソリの遊び場があるのが、わかっていましたから、
今年はソリを持参して、たっぷり姫と遊びました。
けっこうスピードがでるので、姫一人では難しいから、
僕か妻が一緒に乗って、一気に滑り降りる感じです。
試しにいくらか安全に思える場所で、姫の一人滑りをしたら、
やっぱり途中で転倒して、姫は固まって動きませんでした。

3人で山菜蕎麦と山かけそばと、きつねそばを食べて、
お焼きとネパールお菓子も食べて、館内を見て回り、
何人かの知り合いにも出会って、ゆるい時間を過ごしました。
利賀は同じ南砺市の中でも、国道から外れたどん詰まりで、
合掌造りの世界遺産もない、比較的寂れた地区ですが、
僕は以前からなんとなく好きで、よく出掛けていくのです。

雪がもう少し少なければ、住みたい気持ちもありますが、
年齢と共に体力が衰えると、除雪作業は大変なのです。
いつか山里で静かに暮らしたい、と言う妻にしても、
実際に移住する話になると、必ず躊躇してしまいます。
細かい条件などを言えば、ちょうどいい場所があるはずもなく、
やっぱり山里暮らしはできないかな、と思うのです。

道路整備が進んで便利になって、車の性能も良くなれば、
人々は生活しやすい場所へ、移住していくのは止められません。
生活が便利な場所で暮らして、たまに山へ行くだけでいい、
多くの人がそう考えて、開発すればするほど住人は減るのです。
快適な道路を造って、住民を立ち退かせてしまえば、
住民は町へ移住してしまい、立派な道路だけが残るのです。

少し早めに祭り会場を出て、五箇山荘で温泉に浸かると、
さすがに平日の午後ですから、貸し切り状態でした。
誰もいない湯船にからだを伸ばし、歌でもうたおうかと思ったら、
隣の女湯から、姫がうたうアンパンマンが聞こえてきました。
こうして自由に時間を使える豊かさを、存分に味わっていると、
この幸せをいつまでも、と思わずにはいられないのです。