増え続ける空き家

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総務省の調べによると、2013年10月時点で、
全国の空き家の数は、820万戸になったそうです。
これは7~8軒に一軒が、空き家と言うことになりますが、
この空き家は今も増え続けて、記録を更新しています。
しかも田舎に限らず、都市部でも増え続けているようで、
それにも関わらず、新築の家もやっぱり増えている・・・

これだけ空き家が増えても、引っ越したいと思ったとき、
適家を見つけるのは簡単ではないし、そんな家はとても少ない。
多くの空き家は、築30年~50年が経っており、
まだ十分に住めるにしても、新たに入居したいほどでもない。
リニューアルして借り手を捜すほど、リスクを負いたくもないし、
当時と今では、家族構成や生活スタイルが違ってきているので、
家の造りそのものが、時代遅れだったりするのです。

あるいは僕のように、家の回りで田畑ができる家を望んでも、
空き家になるような家は、すでに農家ではないので、
周囲の農地は営農組合などが受け取り、管理しています。
したがって回りが農地でも、自分でやりたいと思えば、
新たに農耕できる土地を、探さなくてはなりません。
だけどこれが簡単ではないし、家と農地の両方を見つけて、
それがうまく自分の希望にマッチするなんて、至難の業だから、
半ば諦め気味に、空き家情報を覗いてみたりするだけです。

さすがにまずいと思うのか、行政による空き家対策が、
多くの市町村で行われていますが、決め手に欠けるのが現状です。
その理由の一つは、すでに住む人がいない家であっても、
そのままにしておけば税金は安いのに、取り壊せば平地になり、
税金が高くなってしまうので、躊躇してしまうからでしょう。
しかし人が住まなくなった空き家は、放置すれば傷みが進んで、
貸すどころか、誰も住めない状態になってしまうのです。

住宅の5軒に1軒が空き家という、山梨県や長野県では、
もともとセカンドハウスが、放置される例が多いと見られます。
◎相続問題が片付かなくて、手を付けられないとか、
◎誰かに貸したくても、借り手がいないとか、
◎本当は解体したくても、解体費用が工面できない、
◎解体して更地になると、固定資産税が高くなる等の理由です。

さらに賃貸住宅にいたっては、空き家率が最高の福井県では、
住宅の3軒に1軒が空き家となって、深刻な状態と聞いています。
それにも関わらず、いまだに公共住宅さえ建てられているし、
合併前の公共施設などは、自治体のお荷物になりつつあるのです。
平成の大合併を前にして建てられた、多くの公共建物が、
今や閑散として、費用ばかりが掛かっているし、
閉鎖したくてもできない、厄介物になりつつあります。

もはや新しい箱は要らないので、今あるものをどう活かすか、
おカネではなく知恵を出すことで、個人の空き家も公共の施設も、
活性化できなければ、地方創生など無理な話でしょう。
そのためにはまず、何があるのかを広く市民に知らせて、
自由に利用できるような体制を作り、広める必要があります。
何がどう利用できるのか、垣根のない利用と情報公開が必須で、
広く市民の意見を募ったなら、たとえ常識的には難しいプランでも、
理想を求めて協力する、体制作りが必要になるでしょう。