新年明けまして、おめでとうございます

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天皇陛下は、新年にあたって文書で感想を表されました。
その全文を、ここに紹介しておきます。

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昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、
家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
また、東日本大震災からは四度目の冬になり、放射能汚染により、
かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々も
いまだ多いことも案じられます。
昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、
地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。

本年は終戦から七十年という節目の年に当たります。
多くの人々が亡くなった戦争でした。
各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の
爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。
この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、
今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。
この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、
幸せな年となることを心より祈ります。
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いつもの事ながら、天皇のお言葉というのは共感できるものが多いです。
長い歴史の上に成り立った、人間の本質を見る豊かな教養があって、
その上で、人々が今どうあればいいのかを端的に言葉にされています。
この端的さには、日本文化の一つの真髄を見る思いがしますし、
長年に渡って、何を大切にするかがぶれていないところがすばらしい。

今年は政治的にきわめて危険な状況へ向けて、一歩進み始めますが、
天皇は過去の暴走に注意を向けることで、今を暴走させたくないのでしょう。
満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、
 今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なこと」
新年にあたって出された感想の意味を、僕らは見逃すことなく考えることで、
今後の日本をどこへ向かわせるのか、真剣に考えておきたいと思うのです。