籾摺りも終わり

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電動籾摺り機ミニダップ 
 
4月の種下ろしから、7ヶ月間掛かって育てた稲が、
先日の籾摺り作業をもって、無事にお米になりました。
今年は11種類の米を作りましたが、いよいよ今日からは、
その中から7種類の古代米を、ブレンドする作業に入ります。
種籾の保存や選別から、田んぼの一角に苗床を作って、
育苗している間に、田んぼの草を刈って準備を整えたら、
5月下旬から6月中旬にかけて、順次田植えをしていきました。

今年はイセヒカリを中心に、収穫作業を分散させるために、
早生のコシヒカリと、正月用の餅のために大正餅をつくって、
その他に古代米を、試しに8種類作ってみました。
赤米は3種類でいいのですが、新しい品種を試すので、
試験的に赤米を4種類にして、様子を見ることにしたのです。
黒米は例年通りに2種類で、他にミドリ米と香り米があり、
これらを品種ごとに、脱穀からトウミ掛けして籾摺りします。

大きな機械を使っているところでは、品種が替わるごとに、
機械の掃除をして、米が混じらないようにしなくてはならない。
最終的にブレンドするにしても、最初からゴチャゴチャでは、
二度と同じブレンドが出来ないし、そもそも管理が出来ません。
自然農は自然に任せるのではなく、人は自然に溶け込んで、
お互いの美しい調和を目指すわけですから、人の役割は、
あくまでも人として、全体の調和を表現することでしょう。

自分の行動は自分で責任を持ちながら、自然と調和して、
必要なものはなるべく少なく、質素に生きていきたいと思う。
だから農作業の道具も、自分でメンテナンスまで出来るように、
あるいは自分の手足を使って使える、簡単なものがベストでしょう。
そこで足踏み脱穀機や、手回しトウミを使っていますが、
古いものは長持ちすると言っても、いつまでもは使えませんから、
同じ機能で新しいものを、いづれ購入するかも知れません。

そんなわけで、基本的にすべて手作業で行っていますが、
どうしても手作業では困難なのが、籾摺りをする作業です。
昔は瓶の中で突いて籾摺りしたり、木槌で叩いたりしたようですが、
さすがにそれは不便なので、僕らも電動の籾摺り機を使います。
これが農作業における唯一の電動機械で、電気のありがたさを感じる。
だけど決定的に違うのは、必要以上の便利さを求めるのではなく、
あくまでも人間が主役で、機械はその補助にしておくと言うことです。

便利でさえあればいいような、人間を置き去りにした技術では、
やがて人は機械中心のシステムに振り回されて、時間まで管理され、
様々な人間味を失って、合理的な存在になってしまうでしょう。
合理化は必要かも知れませんが、それ以前に人間味が大切で、
人間らしく自分らしく、生きるとはどういうことかを考えれば、
収入よりも便利さよりも、やっぱり自分の生き方が大切になるのです。
籾摺り機を使いながら、そんなことを考えていました。