やっぱり不気味な気象

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広島では死者50人、いまだ行方不明者多数という、
雨による土砂崩れだけの被害としては、考えられないほどの、
大災害となっている、この頃増えてきた局地的豪雨です。
砺波平野でも不穏な雲が増えており、僕らが今まで知っていた、
夏の雲とはまったく違うおかしな雲を、毎日のように見ています。
特に今年は、夏の晴れ渡った空に沸き上がる入道雲など、
ほとんど見ていないまま、夏が終わろうとしているのです。

この異常気象の原因は、かつて無い人間の生産活動であり、
大自然がまかなえる再生能力を、越えているのが原因でしょう。
マルクス経済学も含めて、いまだかつて人類の経済学は、
どこかで自然界にしわ寄せをしていることを、無視していました。
半世紀前までなら、無視しても自然界は対応できましたが、
今の人類の生産や消費規模では、賄いきれない負荷が生じており、
それが異常気象など、様々な弊害を産み出しているのです。

このあたりの事情は、東京大学大学院総合文化研究科教授の、
丸山真人さんが、過去の(市場経済を中心とした)経済学から、
広く(自然界の循環を見据えた)経済学へ、転換すべきと説いています。
そして同じように、経済成長の神話から抜け出すように、
様々な角度から検証する人々が共著した本、「脱・成長の道」も、
とても興味深い本なので、多くの人に読んでいただきたいのです。
この本の内容は、2011年7月28日のブログに書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/62140214.html

こうした現象は、すでに10年以上前から指摘されており、
それどころかイリイチなどは、この悪循環から抜け出す道を、
30年以上も前から考えていたというのに、活かされていません。
世界は無限の成長神話がもたらす、様々な矛盾や弊害に対して、
問題解決を唱えては、新たな問題を増やし続けてきたのです。
今にしてみれば、イリイチも自然農的な考えを持っていたようで、
自分の五感や五体を使った感覚を、大切にする人でした。

僕らの自然農は、「問題を起こさない生き方」を考えたとき、
自然と必然的に生まれる、適正な規模というものが大切に思われる。
イリイチはその規模を考えるにおいて、手作業を大切に捉え、
人間の幸せをもたらすものは、規模において小さい方がいいと、
拡大生産で幸せを作る経済大国の考えを、真っ向から批判したのです。
今でこそあたりまえに必要だと思われる、脱成長路線ですが、
成長路線一色の時代に考えられていたことに、驚かされるのです。