ミツバチが死んでいく

イメージ 1
 
ブログリンクから、ちょっと気になるニュースを見ました。
北日本の水田地帯で、ミツバチが巣箱周辺で大量に死んでいる、
その原因が、斑点米カメムシ防除に使用される殺虫剤だと言うのです。
近年になって夏の季節に、北日本地方の水田では大量のミツバチが、
巣の出入り口付近で、バタバタと死んでいるらしいのですが、
(独)農研機構と(独)農業環境技術研究所が原因を調査したところ、
水田で斑点米カメムシ防除に散布される、殺虫剤に曝露されたことが原因、
と言う報告を出したと、記事に書いてあったのです。

 1.平成21年春の花粉交配用ミツバチ不足問題の発生以来、ミツバチ群の健全性が社会的関心の高い、重要な課題となっています。そこで、夏季に北日本水田地帯で発生がみられる「巣門(巣箱の出入り口)前でミツバチがへい死する現象」の原因解明を行いました。
 2.水田周辺に巣箱を設置されたミツバチ群はイネ花粉を収集していました。また、巣門前でのへい死は、イネの開花時以降に発生していました。
 3.ミツバチの死虫の全てから、同時期に斑点米カメムシ防除に用いられた複数の殺虫剤成分が検出され、ミツバチが収集した花粉団子3)からも殺虫剤成分が検出されました。一方、ミツバチ群に病気は検出されず、スズメバチ被害もありませんでした。
 4.以上により、ミツバチはイネ花粉の収集のために水田に飛来し、そこで散布される殺虫剤に曝露されたことがへい死の原因となった可能性が高いと考えられます。
 5.殺虫剤への曝露による長期的影響が指摘されていますので、夏季に水田周辺でへい死が発生したミツバチ群における秋季の巣重量の変化や越冬についても調べたところ、今回の研究では、殺虫剤に曝露されなかったミツバチ群と違いはみられませんでした。
 6.今後は、殺虫剤への曝露による影響を緩和するため、曝露経路の特定やミツバチ群を水田に訪れさせないための技術開発を行います。

このような報告で、この後くわしくその内容が書かれていますが、
どの農薬と特定はできなくても、農薬で死んでいる可能性が高いのです。
ミツバチがどうして水田近くで巣を作るのか、わかっていないようですが、
大量死したミツバチの全部から、農薬成分が検出されている。
それ以外の環境条件では何も問題がないのだから、原因は明白なのに、
ここでは農薬会社かJAか、どこかに遠慮して農薬の害とは断定しません。
原因が断定されない限り、農薬の使用は続けられるでしょうし、
そうするとこれからも、ミツバチの大量死は続くのです。

僕は今朝清水明の田んぼで、周囲の草刈りをしてきましたが、
たしかに草刈りをしているあいだに、2回ミツバチの巣を見かけました。
幸い僕の田んぼでは農薬を使っていませんから、ミツバチは元気で、
草を刈られて巣が暴露されたために、慌てて飛び回っていました。
しかし道路を隔てた他の田んぼでは、農薬を使っていますから、
このミツバチたちも、いつまで元気でいられるかはわかりません。
そしてミツバチがいなくなれば、農産物への打撃も大きいでしょうし、
全部人間が人工授精する必要だって、出てくるかも知れないのです。

それでなくても、今や田畑の周囲で昆虫を見ることは少なく、
人間が好き勝手に生き物を、絶滅させている現状があるのです。
次々に命を奪っていけば、最後には人間が痛い目に遭うのが道理なので、
少しでも早く、自分勝手な価値感を直して生きる必要があるのです。
自然農はそうした生き方の一つとして、今は脚光を浴び始めているのであり、
今回のミツバチの斃死も、そうした具体例の典型なのでしょう。
自然界の循環を大切にするためにも、あらゆる命を無下にすることなく、
命を奪うにもその意味を持って、お互いに助け合う必要があるのです。

農薬や戦争は、予測できないまでに生命を奪う災いだと思うのです。