えざらい

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日本全国で見れば、どうなのか知りませんが、
砺波平野では、どの地域でも「えざらい」があります。
えざらいとは、たぶん「江浚い」と書くようで、、
各地域にある側溝など、水の流れる場所をきれいにする。
毎年春の雪解け時期にやって、溜まっていた土砂を片付け、
また一年間無事に、水の流れを確保するのが目的です。

昔はこれをやらないと、土砂が溜まって水流が滞り、
溢れて大変なことになったでしょうし、蚊が発生したり、
不衛生の原因にもなったんだろう、と推測できます。
だけど現代では、水の流れはすべてU字溝になっているし、
蚊が発生するような場所は、むしろ各家庭周りにあって、
土砂も流れ込まない町中では、えざらいの意味は薄いのです。

それでも毎年えざらいを欠かさないのは、実用よりも、
同じ町内の人が顔を合わせて、世間話をするためでしょう。
こんな機会でもないと、同じ町内の人でも顔を合わせないので、
誰がどこでどんな暮らしをしているのか、とんと分からない。
町内を歩けば自然と知れることが、車で家を出ますから、
挨拶をして世間話をするような、環境が無くなっているのです。

毎年4月初めの日曜日に、こうしてえざらいをすると、
町内の変化もよく分かるし、人の様子の変化も分かります。
去年まで元気だった人が、姿を見せなかったりすれば、
どうしたのかが話題になるし、近況だって知ることが出来ます。
そんな世間話をしながら、最後は消火栓の水を使って、
暗渠になっているところを、水の勢いで清掃して終わりです。

このあと場所を移して、防災訓練の話があって、
年によっては、消火訓練などすることもありますが、
今年は天候が悪かったので、消防署員の話を聞いて終わり。
さらに場所を移して、花見と称する飲み会がありますが、
若い人が集まった昔ならいざ知らず、今は老人ばかりだから、
皆さんお酒の量もほどほどに、三々五々に解散です。