敵は誰なのか?

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最近の台湾では、中台サービス貿易協定(兩岸服務貿易協議)が署名され、
中国からの資本が審査なしで、台湾での事業が出来ることになりました。
この協定は、将来にわたって台湾の人々の暮らしに関わる重要なもの、
にも関わらず、与党が事前に国民の同意を得ることもなしに強行採決して、
これを契機に大規模なデモや抗議行動が起きて、収拾されていません。

デモの中心は若い学生が多いようで、ネットで情報を見ていると、
すでに国会は学生が占拠していますし、警官との衝突が心配されています。
しかし警官の側にも、政府のやり方に疑問を持つ人は多くいるようで、
ネット上には、職務の辛さを訴えている警官の発言も見られます。
以下の文章は、ネット上で広がっているある警官からのメッセージです。

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「今日、台北市の全ての警察の休みが取り消された。
 12時間の勤務を終え、やっと家に帰った者。 
 これから子供とご飯を食べに行こうと準備していた者。 
 案件処理を終え、残業含めて15時間以上連続勤務していた者。 
 全員が休みを返上して立法院に支援に向かった。
 
 制服を脱げば俺たちにも家族があり、子供も妻もいる。 
 制服を脱げば俺たちにも自分の考えがあり、サービス貿易協定の通し方には反対だ。
 しかし、制服をきたら、俺たちは私じゃなくなる。 
 警察官であり、台湾の法律の執行人となる。 

 サービス貿易協議を通過させたのは警察じゃない。 
 サービス貿易協定を通過させたのは、みんなで選んだあの議員たちだ。
 学生の過失でもなければ警察の過失でもない。 
 サービス貿易協定を通過に関わった議員のミスであり、 
 そして、そんな議員に投票した俺たちのミスだ。 

 君たちは今日立法院に民主を争奪に来た。 
 俺たちは立法院法治国家を守るために来た。
 俺たちは敵じゃない。向かい合った戦友だ。 
 どうか、冷静になって、もう警察と衝突をしないようにしてほしい。 
 警察と民衆の衝突は問題の焦点を見えにくくしてしまう。
 
 本当の敵は、君たちの前にいる満身創痍で重い盾をもった警察じゃないはずだ。 
 警察を罵って、唾をかけ、侮辱をしても問題は解決しない。
 一万人が立法院を取りかこみ抗議の結果得るべきものは、
 警察との喧嘩なんかじゃないはずだ。
 俺は台湾を愛している。 

 俺は南部にいるから支援には行っていないけども、 
 抗議に立ち上がった同胞たち、
 そして支援に言っている同胞たちよ。 
 本当につらいと思う。 
 皆がんばれ!! 」
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(国を想う市民) 対 (強権力)の構図は、今や世界中に広がっており、
これが中東を初めとする多くの国で、革命を成功させているのだと思います。
僕らは今何が起きているのか、何者が何者と対峙しているのか、
本当の戦うべき相手、敵は誰なのかを見誤らないようにすなければなりません。
現代の敵は多くの場合、目の前に見える形で存在していないのです。

膨大な利益を吸い上げながら、人目に知れずのうのうと暮らしている、
人を直接は殺さずに、家畜のようにして生き血を吸い続ける一部の人間を、
僕らは冷静に学び知ることによって初めて、戦い方も分かるというものでしょう。
一つの目安は、原発のような危険なものをやめられないと言う人や、
経済のためにはTPPが必要だと、言い続けている人だと思うのですが。