さみしくなりたくないから

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ふきのとうの天麩羅を囓る姫
 
昨夜は第2回の「南砺市子ども・子育て会議」がありました。
僕は5時に苗作りの手伝いを終えて、家に帰って姫を風呂に入れて、
夕食を食べたと思ったら、もう出掛ける時刻になっていました。
これから忙しい季節になるとわかっていても、まだ体がついていかず、
やわやわと動くように、努めてはいるのですがなかなか厳しい。

もともとせっかちで、時間に遅れるのが嫌いな性分なので、
会議場に到着して見れば、まだ時間が10分ほどあったようです。
前もって受け取っていた資料に加えて、着席したテーブルの上には、
新たな資料が置かれてあり、まずはこれに目を通して開始です。
今回は年末に行った、市内子育てニーズ調査の結果報告が中心でした。

元々は国の「子ども・子育て会議」に合わせて、南砺市でも、
南砺市子ども・子育て会議条例」が制定され、会議が設けられました。
国の方針に合わせながら、南砺市独自のニーズを探るということで、
「妊産婦向け」「未就学児保護者向け」「小学生保護者向け」「中学生向け」
の4種類のアンケートが用意され、今回それがまとめられたのです。

協働のまちづくり推進会議などでは、参加者の意識が高いので、
会議の内容や進め方なども、自主的に話し合って決めているのですが、
子ども・子育て会議では、まだそこまで自主性はありません。
国の方針を中心に据えながら、南砺市独自の味を控えめに加えて、
全体として過不足のない、無難な意見収束が図られていきます。

今回アンケートの纏めでは、参加者からいくつか質問や意見が出て、
僕も「小規模な保育施設」に、南砺市の独自性を見出したいと発言しました。
この“小規模”を巡っては、認識の違いから意見が飛び交いましたし、
子育て男女の育児休暇などが、南砺市ではまだまだ実現できないことなど、
いくつかの問題に関して、参加委員の発言は活発でした。

会議は少し押し気味でしたが、順調に協議は進行して終わり、
すべてそつなく纏められたのは、スタッフ努力のたまものでしょう。
ただ僕には少し不満もあって、このアンケートの選択項目自体、
もう少し委員で練り込んで、内容の濃いものにしたかった思いがあります。
そもそもどうして子どもを産むのかが、問われていないのが気になるのです。

子育て支援制度や、保育所・幼稚園・こども園などの整備以前に、
「どうして子どもを産むのか」の根本的なところで、自覚がないから、
様々な具体的な問題にばかり目が行って、自分で解決する力を失うのでは?
僕は若い頃に、家族をもちたいとは思っていませんでしたが、
家族を持つとしたら、その理由だけははっきりとしていました。

ある女性小説家が自分の息子との、こんな会話が紹介されていたのです。
「お母さんは、どうしてあなたを産んだのだと思う?」
「ひとりで、寂しくなりたくなかったからだろう!」
この言葉がどれほど大切なことか、僕は50歳を過ぎてから理解し、
還暦間近にもかかわらず、躊躇せずに子どもをもうけたのです。

僕にはこの感覚がよくわかるから、子育て支援はありがたいけど、
経済的後ろ盾が無くても、相談相手がいなくても、将来環境に不安でも、
生まれくるものに感謝して、その幸福のために社会参画もするのです。
人間は孤独では生きられないから、次々に新しい命を求めて活動し、
人を愛し、子をもうけ、子育て環境をよくしようと、社会活動もするのです。