東京を考える

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先の東京都知事選挙では、脱原発派が束になっても、
原発を維持したい自民党の、桝添候補に勝てませんでした。
これは列記とした事実なので、東京都民とは何者なのか、
恐いもの見たさで、去年の日本の都道府県別資料を見ました。
特に僕が住む富山県と、東京都を比較してみた場合には、
大都会と片田舎の違いが、歴然と浮かび上がります。

都知事選挙の時にも話題になった、東京都の財政額は、
もちろん日本で1位の額で、1003億円であり、
それに比べて富山県は、41位の13億円に過ぎません。
公共事業費の総額も、東京は2兆4948億円なのに、
富山は21位で、3440億円しかありません。
ところがここで、一人あたりの公共事業費を見ると、
東京では18万円に過ぎず、富山では31万円あるのです。

また平均年収を見ると、東京は816万円で2位であり、
富山は714万円で16位、となっているのですが、
可処分所得を見ると、東京46万円で富山は53万円です。
東京の預貯金が1361万円で、富山は867万円でも、
東京の生活保護が、1000人中21人なのに対して、
富山では2.5人しかいない、つまり貧富の差が少ない。
介護施設は、東京の10万人あたり2103人分に対して、
富山ではその倍近い、3959人分が用意されているのです。

平均寿命だって、東京より富山の方が高いうえに、
いじめ問題も富山の3.3件に対して、東京は6.8件ある。
幼稚園に入れない待機児童は、東京が8117人にもいるのに、
富山県には一人もいない、待機児童0人が当たり前です。
数字で見れば、東京の何がいいのかわからないほどなのに、
相変わらず東京の人口は増え続け、富山では減っている。
この原因を考えることが、東京を考えることなのでしょう。

経済的なことだけで考えれば、例えば沖縄を見ると、
有効求人倍率も年収も、預貯金の額も最低に近いけれど、
将来の人口としては、もっとも安定が見込まれた県でもある。
長寿の県として有名な沖縄で、実は老人予備軍が少なく、
結婚率が高くて子どもが多い、と言う特色を備えているのです。
富山は日本中で最も住みやすい県、と評価する向きもあり、
それでも東京に人が集まっていくのは、いったい何故なのか、
僕はどうも、大学の偏在が大きな要因のように思うのです。

僕自身もそうでしたが、高校生が大学進学を考えると、
良い大学は東京に集中している上に、若者の生活スタイルは、
東京の生活をモデルに考えているので、東京へ行く。
全国的な企業は、東京で大学を出た若者を中心に採用するので、
マスコミ、耐久消費財、サービスなども東京スタイルになる。
この人たちには、田舎の本当の良さや価値がわからずに、
わかった頃には定年で、田舎は余生を送る場になるのです。