小保方晴子さんと再生力

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このところ話題になっている、万能細胞STAPですが、
研究グループのリーダーが、若い女性だったことから、
この人を巡る話題が、日本らしくフィーバーしたようです。
そもそもリケジョなんて、いかにも日本人らしい発想で、
男であれば話題にもならないことが、女としては話題になる。
日本がいかに男女の差別が大きい国かが、あらためて見えるし、
ゴシップこそが日本らしい、というのもいかにも残念です。
欧米では、決してこんな報道はしないでしょう。

それはさておき、この研究は証明こそ大変だったでしょうが、
基本的な発想には、とても身近な感覚がある気がします。
研究者の小保方晴子さんは、ハーバード大学の医学部に留学中に、
STAP細胞の作成につながるアイデアが、浮かんだと言います。
そのアイデアとは、過去の科学の常識では非常識だったようで、
「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と酷評されます。
紙面への掲載を却下されたのは、すでに有名な話ですが、
それまで遺伝子操作を必要とした、IPS細胞作成に対して、
「動物細胞を外的刺激だけで初期化できる」と言いだしたのです。

小保方さんは、悔しい思いをしながら研究を続け、
理化学研究所の、研究グループリーダーとして成果を出し、
大々的に報道されたわけですが、これは第一歩なのでしょう。
実際に利用されるまでには、何年掛かるかもわからない、
いわゆる基礎研究の分野での、大発見だったわけです。
細胞レベルの話ではありますが、適当なストレスによって、
細胞が初期化されるのなら、遺伝子操作などの話ではないので、
何か将来の命の在り方に対しても、示唆を得る気がします。

実は生物個体にしても、生物が作る社会全体にしても、
僕らは文化的な側面として、強いストレスが何かを再生させ、
新しいものを産み出すための、きっかけになると知っています。
これが遺伝子組み換えの話であれば、個人としては無力でしょうが、
何かのストレスによって初期化できるのが、生命一般のであれば、
単なる医学的なことでは終わらない、生命活動の広い分野に、
様々な応用が、考えられるのではないかと思うのです。
人間にとっての一つの再生である、胎盤による出産なども、
生命そのもののリセットと考えれば、全体が把握できるのです。

僕は科学者ではありませんから、これ以上詳しくは言えませんが、
世界というのは、すべてが繋がっていると考えるなら、
こうした発想は荒唐無稽ではないし、多くの示唆を得るのです。
僕らは人間や社会をリセットさせながら、最後に何を目指すのか?
いつだって人間には、こうした問題が付いて回るのだから、
すべての生命活動は、基本的な問い掛けを忘れてはならないのです。
僕らは何もので、将来に何を目指するのかを忘れず今を生きる、
永遠を生きる“生き方”とは、そう言うことだと思うのです。