井上雄彦「親鸞」屏風

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(左の人物が、作者の井上雄彦さん)
 
1990年代に、「SLAM DUNK」で人気作家になった井上雄彦ですが、
彼はその後も「バカボンド」「リアル」などの人気作品を書き続けています。
その彼が、「親鸞聖人750回御縁忌大法要記念」として、
一対の屏風「親鸞」を描いたのが、瑞泉寺に展示されると聞いたので、
さっそく出掛けていって、この目で実物を拝見してきました。

ちょうど昨日21日からは、「寺のまち井波」が開催中でしたので、
上新町から八日町に掛けて、車は進入禁止の歩行者天国になっていました。
その町内のあちこちで、彫金や木彫りの作品展示や実演があって、
普段は見られない個人宅の庭園が、解放されて見ることもできます。
姫をベビーカーに乗せて、のんびり見て回りながら瑞泉寺へ向かいました。

瑞泉寺の境内に入っても、本堂ばかりではなく太子堂や瑞泉会館まで、
珍しく大掛かりに市民が参加して、さまざまな職人の技が展示されていました。
瑞泉寺がこれだけの展示をするのは、僕は初めて見たような気がします。
今まで寺子クラブがやってきた、「マルシェ」拡大版のような気もしましたが、
それならそれで、マルシェが認められたのだから喜ぶべきでしょう。

瑞泉寺本堂前の脇にベビーカーを置いて、姫を抱っこして本堂に上がり、
そこで整理券をいただいて、渡り廊下から瑞泉会館の2階へと進んでいきます。
この廊下を通るのも久しぶりですが、子どもの頃にはよく遊んだ場所なので、
少々懐かしい気もしながら、瑞泉会館の様子も見て回りました。
今回は奥の茶室や庭も開放されていたので、見所は多かったのです。

そして何よりもお目当てだった、井上雄彦さんの屏風「親鸞」を見ると、
なるほどこれが、現代文化の花である漫画家の実力かと納得しました。
左右一対の屏風には等身大で、親鸞と当時の救いを求める衆が描かれています。
衆と共に描かれた右の親鸞(写真)は迫力があって、民衆の関係もリアルですが、
僕はどちらかと言えば、静かに座してカラスと対峙した左の親鸞に魅力を感じました。

今日の写真はその右屏風の絵と、作者の井上雄彦さんを撮ったもので、
これはたぶん、絵が仕上がって発表された時に撮られたものです。
本堂内では、井上さんの制作の様子を撮したビデオの上映もありまして、
幼い頃から絵を描くのが好きだった彼が、漫画家となって今、
親鸞を描くことになった喜びが、とても印象的に伝わってきました。

「寺のまち井波」も「親鸞」展示も、23日までありますので、
今年は例年以上の期待を持って、見に行っていいと紹介できます。
太子堂で行われている、職人による実演や体験コーナーも楽しそうで、
夜には瑞泉寺ライトアップ、坊主バー、灯りアート、おわら町流しがあり、
城端線からは、無料のシャトルバスも出ると聞いています。