ただちに影響はなかった・・・けど

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福島第一原発の事故の後、政府がしきりに言ったのが、
「ただちに影響はない」で、耳に焼き付いています。
なるほど、ただちに影響はなかったのかも知れませんが、
2年経って見ると、その影響が少なからず見えてきました。
予想されたことだとは言っても、福島原発周辺での、
相次ぐ動植物の異常報告は、胸を痛く締め付けます。

研究者がおおっぴらに、異常を報告するようになると、
マスコミも報道せざるを得なくなったのか、少しずつですが、
異常な様子が報告されて、話題になり始めているのです。
例えば東洋経済のオンラインで、4月3日付けのニュースに、
福島原発周辺で動植物異常相次ぐ」の記事があり、
これによると、ヤマトシジミ、ウグイス、ニホンザルなどで、
様々な異常と共に、高濃度の放射能が計測されているようです。

特に福島の猿は、チェルノブイリの子どもたちと同じ状況で、
「2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサルは、
汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。
(これは)造血機能への影響が出ているのではないかと思われる」
と、日本獣医生命科学大学教授の羽山伸一さんが、報告しています。
ただちにではなく、何年も過ぎて出てくる影響をどう考えるか?

こうなることは最初からわかっていたから、避難をするのであって、
ただちに影響があって、その場で人が倒れてしまう事態だったら、
避難そのものが、あまり意味を持たなかったかも知れません。
被曝動物のレスキューをしている、水谷正紀さんのブログによれば、
原発の事故のときに、置き去りにされた動物やペットは、
スクリーニングで問題がなくても、必ずといっていいほど被曝しており、
彼自身が飼っているこの犬(写真)も、例外ではないのだそうです。

スクリーニングで問題がなくても、被曝による異常が出るなら、
人間だって例外ではなく、そろそろ被害が顕現する時期かもしれない。
事故当時に「ただちに影響はない」とだけ言って、その後に、
「だけど何年かすれば影響が出てくる」とは教えなかった政府です。
一つ嘘を付けば、いくつもの嘘を続けなければならない!とは、
子どもを諭す時の、大切な教えだったはずですが・・・・

よほど甘い汁は美味しかったのか、今も国民を騙しながら、
危険な状況が続く原発を、すでに平時に戻ったかのように報告する。
さらには、なんとかして原発を再稼働したい意図が丸見えで、
原発を止めさせたい多数派の人々を無視して、また安全を唱えます。
せめて福島第一原発に貯蔵されている、大量の核燃料が、
すべて安全に処理を終えるまで、おかしな議論をすることなく、
全ての原発を止めて、嘘のない政治経済を進めてほしいものです。