♪ 誕 生 ♪

イメージ 1
出産30分後
 
いわゆる“おしるし”は、二日前にあったのですが、
昨日の夕方に、お腹が痛いと言い始めたの陣痛の開始です。
時間を計ってみると、10分ほどの間隔だったので、
様子を見ることにして、助産士さんにメールだけしておきました。
寝る前に様子を知らせて欲しいと、返信が来ていましたが、
夜の9時半には、5分間隔になっていたことを連絡して、
それでも眠れそうだったので、いったんそのまま就眠しました。

真夜中の12時過ぎに、陣痛がひどくなって目が覚めたので、
どうすればいいか、助産士さんに連絡したところ、
「これから様子を見に行きます」と返信がありました。
そのまま出産になるかも知れないので、お風呂を沸かして、
妻をお風呂でゆっくり温めて、いよいよ出産の準備です。
と言っても、夕方に陣痛があった時点で準備を始めていたので、
あとはどうするのか、助産士さんが動きやすいように部屋を片付け、
彼女の陣痛が来るたびに、腰をさすって待つだけです。

寒さ厳しい真夜中でしたが、さかえ助産士さんが見えたので、
一緒に準備を進めながら、妻の様子を見守ります。
最初はもう少し時間が掛かるだろうと、気楽に構えていましたが、
やがて陣痛が激しくなって、破水になってしまいましたので、
すでに赤ん坊が、だいぶ下に降りてきていることから、
出産が近いと判断され、ヘルプの人に来てもらうよう電話して、
家の中は一気に様々なものが並べられ、緊張しました。

ヘルプの助産士さんも、真夜中に関わらず来ていただき、
家の前に車を2台止めておくことは、近所迷惑なので、
この車は邪魔にならない所まで、僕が運んでおくことにしました。
車を片づけて戻ると、二人の助産士さんはすっかり準備を整え、
妻は“痛い痛い”の連発ですが、出産は順調に進んでいるようでした。
僕は彼女の手を握ったり、ほてった顔を冷やしたりするうちに、
もう赤ん坊の頭が見えてきて、全身を震わすような“いきみ”になり、
赤ん坊はゆっくりと、頭から出てくる感じでした。

午前5時頃、僕らのかわいい女の子は無事に産み出され、
わずかに泣いただけで、母親の胸に載せられると泣きやみました。
それはもう不思議なくらい、母親の胸の上では安心するようで、
薄目を空けたまま、新しい世界を見回しているようでした。
僕が抱いてもおとなしいのですが、重さを量ったりする時に、
人の体温から離されると、すぐに激しく泣き出します。
あたりまえですが、赤ん坊は人を必要とするのです。

2時間ほど様子を見て、いくつかの計測を済ませてから、
助産士さんたちが帰っていくと、妻はすっかり疲れたのでしょう、
ぐっすりと眠りに落ち、赤ん坊も一緒に眠ってしまいました。
僕はたいして何もしていないし、なんだか興奮だけしているので、
後片付けをして眠ろうとしましたが、うまく眠れません。
初めて自分の子どもを授かった、記念すべき日は大寒前日で、
凍った雪が美しく輝く、厳しい寒さの神聖な朝でした。
この世界の全てに感謝の心を込めて、ありがとうございました。