あなたは何者か?

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アスモの二階で仕事中に、外の様子を見たくなって、
屋上まで上がって空を見上げ、深呼吸して引き返しました。
館内に戻ろうとして、大きなガラス張りの入口に来たら、
さらに大きな一枚ガラスの手前に、一羽の鳥が倒れていました。
どうやらガラスの存在に気付かずに、激突してしまい、
卒倒して倒れたまま、動けなくなったのでしょう。

そっと拾い上げて、手のひらの上に乗せてみると、
死んではおらず、小刻みに痙攣しているのがわかります。
どうやら背黒セキレイのようで、飛べるまでに見守ってやり、
飛ぶのを確認してから、仕事に戻ろうと思いました。
そのまま置いて行くには、カラスなどが心配ですし、
職場に持ち帰って、アスモ館内で飛び回られても困るのです。

右手のひらに乗せて、両手で包み込むようにして、
しばらく様子を見ていると、次第に痙攣は収まってきて、
回復している様子が、素人の僕にもわかってきます。
鳥類は哺乳類よりも体温が高いので、ほのかに暖かく、
いかにも手の中に生き物がいる、って感じが心地いいのです。
顔を傾けて、こちらの様子を見ているしぐさもかわいい。

震えも痙攣も収まって、足の踏ん張りも戻ってきて、
そろそろ飛び立つかと思ったのですが、なかなか動かない。
試しに周囲の山や、木立が見える方向に持っていって、
手から降りやすいように、フェンスのそばに手をやっても、
背黒セキレイは、いっこうに飛び立とうとしません。
まだ意識がはっきりしていないのかも知れず、待ってみます。

やがてようやく、手のひらの上で立ち上がるようになり、
なるべく飛び立ちやすいように、金網のない所まで行って、
手のひらを立て気味にしてやると、ようやく飛び立ちました。
すぐ近くの手すりに止まり、遠くを見たままジッとしています。
まだ完全には回復していないのでしょうが、仕事があるので、
僕はいったん職場に戻り、しばらくしてもう一度見に行きました。

背黒セキレイは、まだ同じ所に止まっていましたので、
心配になって近づくと、独特の尾びれの上下運動を見せて、
大きく飛び立ち、見えない所へ行ってしまいました。
小鳥と見つめ合っても、何を考えているかわかりませんが、
夜にFMラジオを聞いていたら、「あなたは何者か」みたいな、
自分に問いかけるような、教授と学生の話が聞こえてきました。

僕は人間であり、南砺市民であり、地球人なわけですが、
小鳥と見つめ合っている時は、同じ地球の生命体であって、
「いのち」と言う大きな括りを感じる時は、自然体そのものです。
このようなことは、誰かに教えられてそう思うのではなく、
生きている実感としは、感じられなくなっているのでしょうか?
自分がガイアの一部と気付けば、争う意味も無くなるでしょうに・・・