お金の魅力と魔力

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南砺市民大学「緑の里講座」の一講座として、
金沢星稜大学経済学部の、大畠重衛さんによる、
「お金の魅力と魔力」と題するお話しがありました。
現在の日本が抱える、大きな問題の一つが、
政府の膨大な借金や、お金優先の市場経済なので、
こうした問題を話されるかどうか、気になったのです。

普段の大畠先生は、若い学生を相手にお話しされて、
どちらかと言えば高齢者が多い、緑の里講座では、
いつもとは勝手が違い、話の内容も修正されたのでしょう。
基本的なお金の役割や、大学では何を研究するのか?
と言った基礎的な話から始まって、紙切れ一枚の紙幣が、
どうして価値を持つのか?と言ったお話しは面白かったです。

講座が午後の2時からで、僕は福光での農作業の合間に、
簡単な昼ご飯を食べてから、出席したものですから、
適度な疲れと満腹で、途中しばらく居眠りをしてしまいました。
それでもせっかくの機会なので、聞いておきたいことがあり、
質問時間には手を挙げて、どうしてお金の発行が政府ではなく、
私的な金融機関なのかを、素朴な疑問として聞いてみました。

政府が直接金券を発行して、経済活動を活性化させ、
その成果を税金として徴収すれば、消費税などは必要ないし、
今の政府のように、一千兆円もの借金をする理由もないのです。
すると大畠さんは、法律で決めればそれは可能だけれど、
もともと政府よりも、金融などの実質経済が先にあったので、
この実質経済の力抜きには、政府のお金も信用を失うとのこと。

この実質経済こそ、人間の長い歴史の中で力を持ち、
時には大量の人を殺すような、戦争まで引き起こしてきたし、
人権だ公平だといくら騒いでも、止められない力なのでしょう。
これをいかにコントロールできるかが、政府の役割能力で、
一千兆円の借金をして、その利子を一部の人だけが甘受する、
このような状態では、政府が無能だと証明しているようなもの。

考えてみれば、一千兆円の借金には相応の債権者がいるわけで、
その7割近くが、金融関係者だってことから考えると、
日本は実業国ではなく、金融マネー国になっているのです。
しかもこの債権利益が、国の生産額に加わっているのだとすれば、
借金することで国の総生産を増やす、おかしな現象があって、
経常利益だけを見ていても、この国の生産活動は見えないのです。

さてそれではどうやって、この魔力に振り回されずに、
人間としての自覚を持って、自らの人生を全うできるのか?
その第一歩は、いつも変わらず真実を知ることから始まり、
学び取って理解したことは、必ず自らが実践することによって、
一つの変化の実体と実感が生まれ、確証とするしかないのでしょう。
お金を追い続ければ、お金に振り回される人生でしかないのです。