隠される内部被曝問題

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元WHO事務局長の中嶋宏さん
 
福島原発事故から14ヶ月が過ぎて、
スリリングな燃料プールの問題は解決することなく、
同時に内部被曝の問題が、ジワジワと広がってきています。
もともと放射能自体が、目に見えない猛毒ですが、
さらに内部被曝となると、人類史上初めての事態であり、
因果関係を立証するのは、きわめて困難なことになります。

この困難さを利用して、原発推進者たちは、
原発事故と内部被曝の関係を無視し、ないことにして、
チェルノブイリ原発事故の被曝被害を、小さく見せてきました。
しかし現実には、明らかに放射能被曝に起因すると思われる、
白血病膠原病などの症状が、被曝地域の子どもたちに増えている。
この事態が隠しきれなくなって、問題視され始めているのです。

一昨日は氷見市で、昨日は富山市で上映会があった、
鎌仲ひとみ監督の「内部被曝を生き抜く」でも、
今の日本の課題は、子どもたちの内部被曝の問題とわかります。
この映画には、先日講演会でお話を聞いた鎌田みのるさんも登場し、
チェルノブイリや福島での、白血病の子どもたちを救うため、
活動されている様子も、紹介されていることでしょう。

僕はこの映画を見ていませんが、別の50分ほどの映画、
「真実はどこに?」を見たことで、問題意識を共有しています。
この映画には、元WHO事務局長の中嶋宏さんが登場し、
IAEAがどのような組織かを、明確に述べていることから、
どうして被曝が隠蔽され、真実が公開されないのか?
軍事的な安全保障の問題と絡んで、明らかにされているのです。

この映画に出ている、国連人道問題事務所のD.ズブカによれば、
チェルノブイリ放射能汚染の影響は、今も広がっており、
犠牲者の数を900万人と見積もって、将来への警鐘をならしている。
しかもこの犠牲者の多くは、少女の時に被曝し、
少女たちが大人になって産む子供たちが、病気なのです。
しかし国連の正式な発表は、こうした事態を無視しています。

中嶋さんの言葉によれば、「IAEAは国連安保理に従属し、
WHOのような専門部局はすべて経済社会開発委員会に属している。
専門部局はみな平等ですが、安保理に属する組織は、
特に核に関することは、軍事目的と民事平和目的を問わず、
権限は彼ら(IAEA)にある。」と発言されているとおり、
政府が公表する原発事故と被曝被害の数字は、虚実と思われます。

なぜ、どのような虚実がまかり通っているのかは、
直接この映画を見ていただいた方が、わかりやすいでしょう。
ウラディミール・チェルトコフ監督のドキュメンタリー
「真実はどこに? ー放射能汚染を巡ってー」(50分)については、
日本語版制作者である <エコー・エシャンジュ>と
市民団体<りんご野>によって、YouTubeにアップされています。
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI

この映画を見て、あなたは何を真実だと思うでしょうか?