なんと里山元気塾

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総務省が推進する「緑の分権改革」に従って、
南砺市では農政課が「なんと里山元気塾」を立ち上げました。
昨日は城端で第2回講座があり、僕も参加してきましたが、
普段お付き合いをしている人たちとは、また少し違う、
まちづくりに関心のある人が、20人以上集まっていました。
同じ時間帯に、井波で市長の「まちづくり条例案」の説明があり、
市民会議のメンバーは、そちらに行っていると思われます。

それでもちらほら、見覚えのある人が多いのは、
僕もようやく、南砺市の人たちと親しくなってきた証で、
顔の見える信頼感こそ、将来へのまちづくりには大切です。
元気塾は、これから5月にかけて何回か開催されますが、
毎回3時間かけて、ワークショップを中心とした作業になります。
昨日は自己紹介から始めて、「地域の現状を整理する」を課題に、
南砺市地域の長所と短所を、じっくりと話し合いました。

正直のところ、環境計画策定委員会でも同じようなことをして、
そのときも、早く具体的な次のステップに移りたいと思ったので、
少し物足りなさはありましたが、ここはやはり大切なところ。
これから僕らが何をしようとしているのか、見誤らずに、
参加者のコンセプトを、確認しておくことが大切です。
そう思って、しっかり話し合いに参加してみたのですが、
普段とは違う人の意見を聞くのは、新たに刺激的なことでした。

南砺市の何が長所で魅力かについては、共通認識がありますが、
それをうまく活かせない理由は、けっこう様々なもので、
特に今回は若い参加者から、見落としがちな意見が聞けました。
それは、地域で何か新しいことを始めようとすると、
頭の固い高齢者から横やりが入り、実現できないと言う悩み。
すでに過疎地であるからこそ、少ない住民の高齢者が反対すれば、
何も挑戦出来なくなってしまう、ジレンマがあるのです。

この問題に関しては、すでに何度か考えてきており、
いわゆる団塊の世代が、未だに人数では多い世代なので、
この高齢者が反対すれば、若い人は何も出来ない。
彼らが若いときには、若い人の人数が多かったのだから、
若い人の挑戦は比較的容易に受け入れられたと想像できます。
それが現代では、若いエネルギーを押さえつけるので、
いきおい、若い人たちは萎縮してしまっているようなのです。

この問題を解決するには、高齢者に若者を受け入れてもらうとき、
高齢者のやり方を押しつけるのではなく、新しい価値観を、
柔軟に受け入れてもらう必要があるけど、これが難しい。
そこで一工夫して、受け入れやすい提案をすることも大切です。
もともと南砺市では、井波の彫刻文化が陶芸作家を受け入れ、
城端の織物文化が、アニメ工房を受け入れる素地になってきたし、
同じように五箇山の和紙だって、工芸作家を育てています。

こうした伝統に若い人が飛び込んで、挑戦しているのだから、
まずはこのパワーを活かして育てるような、まちづくりをする。
持続可能な循環型社会を作るときに、ただ食とエネルギーではなく、
文化的要素まで循環型にすることが大切ですが、それを一ひねり、
「アートで美味しい循環型社会」を提案していけばいいのでは。
循環型社会は世界中で挑戦されるでしょうが、それだけではなく、
南砺市では一歩先を行って、アートを基調に置くのです。

芸術文化の長い歴史と、豊かな素地がある南砺市では、
アートこそ古い皮を脱皮する、善い切り口になりそうです。