金融マネー経済破綻への道筋

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国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事
 
いまだに多くの人たちが、経済拡大を望んでいますが、
将来社会の安定を望むなら、経済は拡大させずに、
なるべく循環型社会で自給自足する、小さな経済を基本に、
お金に頼りすぎない生活環境を作ることが、肝要です。
もともとお金は、人間が作りだした便利な道具でしたが、
今のお金は、金融経済の投資財そのものになって、
経済が膨らむほど、人が貧しくなる構図を描いているのです。

経済が膨らむと、どうして人が貧しくなるのか?
たとえば現在世界のドル流通量は、6兆ドルを超えていますが、
これは最近5年間で2.5倍になったもので、ほとんどが金融です。
この5年間で、生産物流は2倍にさえなっていないのだから、
金融取引だけが、膨大な利益を得て貧富の差を拡大し続けている。
今や5年前の2.5倍に収入が増えた人以外は、相対的に貧しくなり、
地道に仕事をしていても、マネー経済では敗者になるのです。

さらにこの経済マネーは、末端の人々がどんなつもりだろうと、
より大きな銀行や金融機関に吸い上げられて、投資財となり、
たとえばCDSクレジット・デフォルト・スワップ)購入によって、
ギリシャやイタリアが財政破綻すれば、儲かることになっている。
そのCDSの売り手は、ギリシャやイタリアの経済が本当に破綻した場合、
お金を支払える補償能力を超えているとさえ、伝えられているのに・・・
売り大手のJPモルガン・チェースは、別のCDSで相殺されるから大丈夫!
と言っているようですが、連鎖不履行の可能性は高いのです。

このCDSの取引残高は現在27兆ドルで、米国GDPの約2倍に相当し、
もはや世界中の誰も、どの機関も、どんな国家も責任が持てないのです。
すなわち金融を基本にしたマネー経済は、すでに破綻の途上にあって、
ギリシャとイタリアの財政破綻が、その引き金になるでしょう。
だからこそ、国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は、
フランスのジュルナル・デュ・ディマンシュ紙との、インタビューで、
「世界経済は危険な状態で、金融システム信認の危機だ」と言うのです。
それでも、銀行、金融機関、債権国は、自分の利益しか考えられない。

この悪魔のようなスパイラルから、抜け出す方法として、
現物裏付けのないCDSを禁止し、金融取引税の導入が検討されますが、
マネー経済破綻を止めるだけのパワーは、今のところ見えません。
それでは僕らは、ただ破綻するのを見ているしかないのか?
そこで忘れてはならないのが、マネー金融経済が破綻したって、
僕らが消滅するわけではなく、実在し続けると言うことです。
もう一度、お金を物流の交換手段として再構築すればいいのです。

そのためにはまず、世界の金融マネーに巻き込まれない体制が必要で、
金融マネーと連動しない、実質経済圏を構築する必要があります。
これを実現する確実な方法は、地域での自律的な経済圏を作ることで、
僕の住む地域であれば、砺波平野と周辺海山の経済圏で生活を賄い、
なるべく人間の手間暇で経済を維持する体制作りに、可能性があるのです。
なぜなら人の幸せは、自分が誰かの役に立つことで実感できるので、
すべての人が役割のある社会参画をできれば、経済は小さくていいからです。