「原発と、危ない日本4つの問題」

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今をときめく武田邦彦さんが、先月8月に出された本で、
3.11の原発事故を契機に見えてきた、日本社会が今抱える問題を、
わかりやすく纏めた「原発と、危ない日本4つの問題」を読みました。
あほらしいくらいお粗末な、日本のマスコミや政府の発表に対して、
常にズバズバと核心を突く彼の発言は、ネット上で持て囃され、
人気が先行し過ぎて、危ういのではないかと思うこともありますが、
この本の中で指摘されている多くのことは、納得できるものでしょう。

4つの問題と言っても、その半分以上は原発問題を扱っており、
電力利権グループ企業のようなマスコミでは、決して言わないことを、
科学者としての視点で、冷静に指摘しているのが興味深いのです。
例えば原発の非常時に大切な「止める」「冷やす」「閉じこめる」では、
今回の福島原発では、「止める」ことしかできなかったわけですから、
そんな原発では、稼働していいはずがないことを指摘します。
つまり最初から危機管理など無いも同然で、ひたすら安全だと言って、
小泉首相が「自衛隊が行くところは安全だ」と言ったのと同じで、
「建設された原発は安全だ」と言い続け、それが破綻したわけです。

すでに東電ばかりか、日本中の電力会社がいかに嘘つきか、
公共企業としてはあるまじき体質が、次々に暴露されていますが、
残念ながら行政機関も、市民よりも法律を守ることばかりに専念して、
結果としては、何事もないかのように装う手助けをしています。
さらにマスコミも、優良スポンサーである電力会社の不都合なことは、
どうしても言いたくないようで、結果として嘘と捏造情報にまみれている。
この状態で、市民は何を信じてどう行動すればいいのかが、
この本では具体的な例を示しながら書かれていて、興味深いのです。

例えば原発事故のあと、沸き上がった原発不要論に対して、
東電と政府は、原発がないと電力が足りなくなる!と言い続け、
いつものように、マスコミが「節電」の宣伝に走りました。
だけど当事被害を受けて止まった発電量は、200万キロワットで、
東電の発電能力は、7700万キロワットもあったわけだから、
必要な電力消費量である、2800万キロワットを供給するのに、
準備期間以外の問題など何もなかったはずなのです。
それなのに「原発が動かない」ことを理由に、計画停電とは、
電力会社も政府もマスコミも、市民をバカにしているのでしょうか。

さらにこの本では、原発以外の3つの問題として、
「食品リサイクルという問題」「ゴミ問題なんてないという問題」
「でっちあげダイオキシンという問題」を取り上げています。
これらの問題を読んで浮かび上がってくるのは、マスコミの扇動で、
日本人はどうしても、マスコミの宣伝に乗りやすいことがわかります。
企業や政府、マスコミに騙されない生き方をするにはどうすればいいか?
もしかしたら、3.11事故から僕らが一番に学ぶべき事は。
企業や政府マスコミの情報を鵜呑みにしないで、自らの安全は、
自らの責任で守る事が必要な時代になっている!ってことかも知れません。
 

武田邦彦さんの「原発と、危ない日本4つの問題」は、↓こちらから。
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