次世代への資産として

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すでに破綻している、経済成長による豊かさに代わって、
20年後、40年後にどのような豊かさが求められるのか?
このブログでは、ずっとそんな課題を追い求めてきたわけですが、
おぼろげだった答えも、最近はようやく全容が見えてきました。

と言っても、まだ雛のようなこの“全体像”を言葉で表現するのは、
雑草の中に種を蒔く作業に等しいので、当面は保護します。
それでもこの種は、祈りと同じ将来イメージを抱えていますから、
何をするにも、今までとは違う息吹を含んでいることも確かで、
新しい息吹は自然の香りと共に、人々の暮らしを刷新するでしょう。

経済成長の魔殿のような都会ではなく、取り残されたかのような田舎で、
毒が少ないが故に、まだ新しい息吹を感じることの出来る人たちが、
少しずつ気付きを集め、試みの形を祈りから現実にし始めている。
すでに古代遺産化を始めた都市文明を離れ、人造物のない自然界から、
世界を見渡すときに見えてくるものから、再び人間文明を見渡せば、
これから自分たちが何をすべきか、祈りを超える実像が見える。

そんなことを感じさせてくれたのが、今回の高知OJTでした。
ただ参加するだけでも、僕には経済的に大きな負担だったのですが、
ちゃんと報告書を出して認められれば、経費は内閣府が出してくれる。
そんな情報を届けて、参加を促してくれた人がいたことこそ、
今の僕には、何よりも大きな財産なんだと再確認も出来たのです。

そうした人の絆や縁と言ったものが、いたるところにあって、
僕に不足しているであろう、多くのものをサポートしてくれるから、
納得できないことはやらずに、やりたいことだけやって生活が出来る。
気がつけば世界中の先進的な人と繋がり、田舎暮らしが身近にある。

今日の写真は、四万十川流域での研修初日に訪れたビオトープ候補地で、
地元で様々な活動をされている、池田十三生さんの案内によって、
いくつもの絶滅危惧植物が、保護される様子を見たときのものです。
生物多様性がなぜ大切なのかを、本当に知っている人であれば、
経済よりも利便性よりも、自然の生態系が重要であることがわかる。

今回高知で参加したOJTは、生態系とラスト協会が企画したもので、
池田さんはその副会長でもあり、熱心に自然保護活動をされている。
自然保護は、今でこそ多くの行政単位が認めてはいますが、
時代が変わればどうなるか分からず、今でも原発が容認されるくらい、
経済拡大が優先的に取り扱われるのですから、あてにはなりません。
そこで一つの意志を持つ「トラスト協会」が役割を持つのです。

トラスト協会のことは、いずれあらためて紹介することになりますが、
基本的には、保護すべき生態系に必要な自然環境の山や森を、
購入、所有して、トラスト協会の資産にしてしまうことによって、
協会が存続する限り、他の用途には使わせないことが可能になるのです。
こうした思想と土地を、次世代に守り伝えることが協会の使命です。

僕も様々な活動をしてきましたが、今まで活動に欠けていたのが、
次世代の人が活動する場としての自然環境で、これを守らないことには、
どんな優れた文化も、土壌なくしては育たないと危惧していたのです。
それをこうした活動によって、可能性を見せてもらった気がします。